★『極振り拒否して手探りスタート! 特化しないヒーラー、仲間と別れて旅に出る』というタイトルにどう決まったのか、という経緯を語っておこう
去年ぐらいにTwitterの方には一度、軽く書いておいたのだけど、改めてこちらの方で文章として残したいと思った。
やっぱりTwitterだと流れてしまった終わりだし、文字数制限で上手く書けないしね。
さて、
昔からの読者の方々は覚えてるかもしれませんが、この『極スタ』の最初のタイトルは、
『サマル振りヒーラーの異世界冒険~神聖魔法が便利すぎて怖い~』
でした。
書籍化が決まって、このタイトルから今の、
『極振り拒否して手探りスタート! 特化しないヒーラー、仲間と別れて旅に出る』
に変えたことで『何故こんなタイトルなんだろう』とか『編集が指示したのでは?』というような感じの話をいくつか目にすることがあり、どうやら『編集さんに(強引に)別のタイトルを付けられた』的な印象を持っている人がいるようなので、そこは否定しておいた方がいいかなと思ってこれを書いています。
まず最初に、このタイトルですが、作者本人が悩んだ末、自分で決めました。
そこははっきりとさせておいた方がいいかな、と思ってます。
最初のタイトル、『サマル』を考えた後に、「もしかすると、このタイトルで書籍化は難しいかもしれない」と感じていたので、最初に担当編集者さんとお会いした時にタイトルを変更した方がいいかどうかについて相談して、結果、変更することに決まりました。
そこから数ヶ月、新しいタイトルについて悩んで考えて、何度も何度も声に出して読んでみて読み味をチェックしたり、切り取ったりくっつけたり、色々と試行錯誤して今の『極スタ』になったわけです。
勿論、担当氏にも意見を聞き、いくつかタイトル候補を考えていただきました。
その中には良い案もありました。
が、自分の頭の中にあったのは、
『MORE インパクト!』
「もっとインパクトのあるタイトルじゃないと何百万ものラノベの海の中に飲まれて消えちまうぜ!ヒャッハー!」
でして、ガッツリといってこういうタイトルに決めたわけです。
今からこの当時のことを思い出してみると、不安感とかが凄く大きかったような気がします。
勿論、こういう感じのタイトルを嫌う人がいることも知っているし、ネタにする人達がいることも知っているし。逆にこういうタイトルがウケることも知っていて、そしてこういうタイトルが凄く分かりやすくて手にとってもらえることも知っていて。
そこを理解して上手い落とし所を見付けるのが重要で、しかしそれは感覚の世界なので基準もないし。
タイトルの付け方1つで結果が大きく変わるのは確実なので、失敗は出来ないし、自分で全部決めたんだから言い訳も出来ないし。自分のこの判断で全てが変わってしまう――終わってしまうかもしれないわけです。だからこのタイトルに決め、それを担当さんに送るその瞬間。その送信ボタンを押す瞬間は、初めて好きだった女の子に告白する時のような緊張と不安感が一杯でした。
中学生時代を思い出しますね。
まぁそれはいいとして。
小説ってこういう、それ次第で全てが変わってしまうかもしれない紙一重の選択と決断の連続だと最近思うんですよ。
書いている最中にひらめいた設定の1つが後々になってストーリーを大きく盛り上げる要因になったりして、その時は「よっしゃ!」と思う反面、『もしあの時、この設定をひらめかなかったら今どうなっていたんだろう』という感覚が沸き起こってきて、その瞬間、自分が歩いていた道が断崖絶壁沿いの道だと気付いてしまうのです。
知らなければ楽に歩けるけど、知らなければ足を踏み外すので、難儀なもんです。
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