あなたの感想が大事な理由

 小説を書き始めたころの話。


 一生懸命頑張ってキャラクターを作って、そのキャラクターのバックボーンとか作って、主人公の進む道に立たせて、主人公との関わりを持たせて――

 と、キャラとストーリーを作っていってたのだけど。

 なんとなく、どこかしっくりと来ない感覚があった。

 でも、この時はその理由がいまいち分からなくて、何かおかしな感覚を残したまま、ただひたすら書き続けていた。


 そんなある日、いつもチェックしていた感想の中に「このキャラが良い!」という内容の言葉を見付けた。

 嬉しさと、高揚感と、承認欲求が満たされたような気持ち。

 その瞬間、何だか目の前が開けたような、新しい感覚に包まれて、そしてふと今までに感じ続けていた違和感の正体に気がついたのだ。


 あぁ、自分が作ったキャラクターが生きていると自分が信じきれてなかったんだな、と。


 自分で作ったキャラクターを動かして喋らせて……という、ある種の『お人形遊び』のような感覚とでもいうか。そういう目線で見てしまっている自分がいた。

 だからその時まで、話の中のキャラクター達は誰も生きてはいなかった。

 私と、私が動かすキャラクター達との間でのやり取りがそこにあるだけ。


 でも、そこで皆さんに認められることで、やっとキャラクターに命が入り、この世界を動き始めた。

 自由に旅をし始めた。

 自由に喋り始めた。


 この子たちは生きていていいんだ。

 そう思いました。


 だからあなたの感想が、

 あなたの気持ちが、

 あなたのその一言が大事なのです。

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