名もなき国の、悲しくも美しい話

御伽噺のような、叙事詩のような。
美しい言葉で紡がれる、悲しい物語。
聖女の怒りや悲しみが、まるで羊皮紙に描かれた異国の話のように展開してゆきます。
祈り石に込めた願いは余りに切ないものでした。それはまるで、万能であるはずの聖女が、唯一見せた人間らしさではないかと思えてなりません。