第2話 佐藤センパイ



「リンナ!」

「……わあぁ」

「遅刻魔なのに珍しいね~こんなに朝はやくから学校いるの。」

「あ、え、う……でしょ?へへ。」

「なんでそんななんですか。」






「いやぁ、でもさ、今日ほんとに自分よく電車乗れたと思う。」

「電車かー。」

「リンナいいよね~チャリ通(チャリンコ通学)だし。満員電車ほんと嫌いすぎるw」

「そっかー。」

「……オジサンと接触するのが、何かちょっとアレ。」

「オジサンかー。」


「たまにイケメンのデキる男みたいな人もいるけど。」

「イケメンかー。」











「今日の昼飯サラダチキン。」

「昼飯かー。」







??







「100円落ちてる。」

「まじかー。」








???








「ヨシ子に彼氏ができそう(嘘)」

「彼氏かー。」











「なあ!どうしたん?今日!」



「…………ェ?」

「いや、なにその"わたしナンニモシリマセン"みたいな顔。」

「いやナンニモシリマセン。」

「…今日ずっとうわの空って感じじゃない?」

「や……ンと……そ、そんなコトないですよ。」

「………やらし。」






「今日1限目から数学かよ~。最悪すぎ。」

「数学だるいよなあ~。」

「……てか、宿題やってない!え、やば。今日多い…?」

「見せようか?ノート…。」

「ワオっit's a perfect note !!」

「まあね。写すのがんばって……。」

「なんとかするわ、あと40分あるし。」

「………………。」

「…リンナ?」

「………え!?あ、数学だっけ?わわっ、頑張って!!秋瀬なら大丈夫!!!」






………なんで急にそんなテンション高いの。



「ちょ、ほんまにリンナ何かあった?」

「………え?……なんにもないけど。」




――――― サ ッ



………ん?……窓の外?



♪ピコン(リンナ's スマホ)


「あ、ヨシ子だ。」


「なんて?」



「自撮り送られてきた。」

「……朝から何してるんだよヨシ子はw」

「今日の写真盛れたって。」

「そういえば、リンナのおとついの自撮りもなかなか盛れてた。」

「…えっ?ほんと!?どれ?」

「フォルダー見せてくれたら分かるかな。」



「えっとなーこの写真の前で……あ、違う。

あ、この写真の………… あっ変なとこ押しちゃった。……え?」




【センパイ♡】





「ええっ何これ!!ちょ、何のフォルダー!?」


「……ちょ、待っ…返してっ!」








んんん?






「………っっああ !!」



「ちょ、なに!」


「……さっきの分かった。」


「は?」



「佐藤センパイだ。佐藤センパイだった…!」



「……っえ、はっ??や、え……なにが?」



佐藤センパイ。


それは、私たち女子の共通の財産。




整った顔立ちに、国宝級の鼻の高さ。

何しろあのイケメンぶりにサッカー部のキャプテンという肩書きは反則。




「そのフォルダの写真、佐藤センパイじゃん。」

「……や…」

「さっきから窓の外もチラ見してるし。」

「してないし。」

「今、朝練してるもんね~佐藤セ・ン・パ・イ♡」

「ちょ、なに………っ!」



「朝からおかしいと思ってたけど、そういうことかぁ~。」



―――― 納得。




「さっき急にテンション上がったのも、佐藤センパイがシュート決めたとか

どうせそういうことだったんでしょ~リーーンナ♡」

「は?ちょ?きもっ!」

「朝練見る為に早起きとか熱心~」

「は?何……」

「まさか、このためにオール(一晩中寝ない)してたりして~。」


「………………。」



「え、うそ。」

「………………。」

「は?まじ?」

「……………………。」





「………や、それはさすがにガチすぎてドン引き!!!」








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スマホ世代の女子高生のススメ 秋瀬芽 @akisemei

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