スマホ世代の女子高生のススメ

秋瀬芽

第1話 スマホ世代



「やば、今日もリンナ遅刻らしいよ。」

「え、まじィ?…てか、LIMEする暇あるなら準備できるじゃん~。」



2年D組の教室は、今日も32人(※1人遅刻)で賑わっている。

そして、まあプロローグ的な感じで述べとこうか。

リンナ…は、遅刻魔なのである。




「おい、秋瀬あきせ~リンナはまた遅刻かー?」

「…らしいっすね。」

「あいつ進級できんのかー。」

「ワハハハッ(32人-1(リンナ)人)」


と、まあ担任もこんな感じだ。




申し遅れて今更感あるけど、

私、秋瀬です。高校生してます、のんびりと。


ついこの間まで着せられてる感MAXだった制服が

今では自称着こなしてます…て、そこドン引かないでもらえますか?


まあともかく、高2です。釣ったばっかのブリみたいにピチピチの。




「ちょ、秋瀬ェ!あの子また教科書に張り付いてるんだけど~。」

「え。」


「…あ、ほんまや。」

「シイナさん絶対彼氏いないだろね~。草生えるぅw」


(※草生えるとは

ネット上などで「笑い」を表現するとき”w”を用いる場合があり、

その姿が「草」にそっくりな為、愛着のあるこの表現が使われることとなった。)


「え、てかまずヨシ子も彼氏いないじゃん。」

「…え?…っはあ?まじない、ここでそれ出してくんの反則なんだけど。」

「いや、知らんから。」

「来週までに彼氏つくるから。今回はまじめに本気だからぁ。」

「SNSで繋がったオッサンとならワンチャン。」

「うるせ~っもう移動教室置いてくからねェ(プンプン)。」

「いや、ごめんって。」





「ふぃーダル~い。先生の声イケボ(イケメンボイスの略)すぎて眠気くる~」

「分かる。オアシスだわ。」

「そういえば、リンナ毎回なんで遅刻するんだろ~。」

「……え、そういえば、なんでだろう。」

「じゃ、眠気冷ましに私の予想でも聞くぅ?」




「パターン1!駅でに絡まれる!」


オ『おジョーちゃん、可愛いね~この細い足舐めてみたいヨ。』

リ『ヤ、ヤメテくださいっ//今から学校なんですぅ~』

オ『ウォ~いいねえ~。学校って言葉聞いただけでゾクゾクするヨ~』



「いや、その話聞いた私がある意味ゾクゾクするよ!」

「え~いい線いってると思ったのにィ~」

「それ現実でありそうなの、まじでヨシ子くらいでしょ。」

「何で~?私そんなにストライクゾーン広くないんだけど~」

「よく言うよ(笑)」




「パターン2!前髪散乱緊急事態!」


リ『待って!前髪キマらなさすぎる!』

 『完全爆発無理ゲーすぎ。こんなんじゃ学校いけないよ。』

 『おかあさん…学校休んでも、、いい?』


母『あんたそうやって何日学校遅刻欠席したら気が済むの!行きなさい!』




「どう?これなかなか当たってるぽくない~?」

「まあ確かにあり得そうな話だけど…でもなぁ。」

「でも何よ~」

「このイケボ竹武先生の授業はサボんないでしょ。」

「確かにィ。三度の飯より竹武のイケボとか言ってたもんねェ~」


「っぷぷ(二人)」


「じゃあそろそろいきますか、最後のパターン3を!」

「おっと~どんなのがくる~?」




「パターン3!お父さんの危篤。」






「…やめなさい、縁起でもない。」

「はあ~い。ごめ~ん。」


「でもなんかさみしくなってきたね。」

「だねえ~やっぱリンナがいないと元気さにかけるっていうか~」

「なんやかんやいつも場の空気明るくしてくれるしね、ムードメーカーっていうか。」

「…うん。前に秋瀬がX君と喧嘩したときあったじゃん。」

「うわ、懐かし。」

「半年くらい前だっけ、その時もなんやかんやリンナが仲介してくれたじゃん。」

「そうだったね…。」


「あとさ、テストの時消しゴム忘れたヨシにさ、、」

「うんうん。消しゴム切って渡してくれたんだよね?」

「そうなの。普通女子って自分のもの切るとか絶対しないのにねェ…。」


「あ、前お金忘れて購買でパン買えなかったときにさ、」

「うんうん。」

「リンナの大好物のチョコ揚げパン、半分くれたんだよ!」

「そうだったの!?すっごい大好物なのに…!」

「……リンナ遅刻はするけどそれ以外は尊敬するとこ多いよ。」

「やばい、今ヨシ、リンナにすっごく会いたくなってきた~」

「…私も…。」





うう……



「「会いたいよぉっ!」」







ガッラガラガラーーーーーっっ




「はい!リンナです!遅れてすみません!寝坊しました!」

「おい、早く席につけ~」

「まじですみませんっ」




「やっほー、秋瀬~ヨシ子~……え、何?どうした?何で泣いてんの?」

「待ってたんだからぁ…!(グスン)」

「何泣いてんの、怖い、怖いって!新手のホラーかよ!」

「まじでもう遅刻なんて…グス……するなよ~」

「あ、え、はい。……お?(・_・)」









#てか遅刻理由、寝坊かよ!!


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