第8話 『大島てる』の情報

驚愕に値する。事故物件公示サイト「大島てる」。

ご存知ない方もいるかもしれないが、たぶん日本で唯一の「事故物件」の情報を提供するサイトである。

掲載されている件数は膨大で、外国の駐車場の事故死のデータまである。


私は仕事柄、「本日をもちまして事故物件となりました」の「本日」に居合わせたり、大家や管理会社から連絡を受ける。

訪問していて「たぶん中に死体があるかもね」と感じる事もある。


例えば[第1話 死体部屋]に記した事故も「大島てる」には掲載されている。


しかし情報の更新は投稿制というが、一体誰が投稿しているのだろう。

私の知る「大島てるに掲載されている事故物件」は大抵の場合、関係者の誰もとても「大島てる」にわざわざ情報をUpするような「情強」には思えないのだ。


第1話の事故も、関係者──家主や管理会社──は、およそ「大島てる」に情報をUpするような人間はいない。まさか消防や警察ではないだろう。遺族の可能性は、さすがにないだろう。


当然私でもない。私の会社の人間の可能性はゼロだ。理由がある。

掲載されている事故内容「死後〇ヶ月経過して発見された」。驚くべき正確さだ。

ただ私は社内のデータにこの情報を残してない。残す理由がないからだ。であればやはり情報源は同僚ではない。管理会社にもそんな事まで説明してない。家主にもだ。


一体どんなヒマ人が情報をUpしているのだ?

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