ヴィーンでの勉強と苦難の日々14
私は最初沈黙していた。だが、ついには黙ってはいられなくなった。私は自分の立場を明確にし、反論を始めた。
少なくとも今争われている点については、一定の知識がなければ反論できないということを私はもちろん認識していた。これがまったく見込みがないこともわかっていた。
そこで私は彼らが自己流の知識を引き出してくる源泉を探した。本やパンフレットを次から次へと読んでいったのである。
その後、仕事場ではしばしば激論が戦わされた。
私は日々彼らと相手の知識を知った上で戦ったので、ある日、彼らは理性を一番簡単に征服してしまう例の手段を使ってしまった。暴力とテロだ。
反対意見の主だった者たちが数人、私に建築現場を去るか、足場から落とされるかを選べと詰め寄ってきた。
私は気分を害して立ち去った。だが、同時にこの事件にまったく無関心でいられないだろうと思うようにもなった。
いや、最初の憤りが爆発したあとで、強情が再び優勢になってきた。そこでもう一度建築現場に行こうと決心したのだ。
そしてまた同じことが繰り返され、同じ結果に終わった。
その頃、私は自分の心と戦っていた。これでもなお彼らは偉大な民族の一員に値する人間なのだろうか、と。
これは苦悩に満ちた問題である。なぜならばもしその答えが肯定ならば、民族をめぐる闘争はもはや努力や犠牲にも値せず、もしその答えが否定ならば、わが民族はすでに人間として貧しいということになるからだった。
悲観的に考えたり、追及したりする日々を過ごし、私は不安という重圧に耐えながらもはやその民族に数えられない大衆が、恐るべき軍勢に膨張していくのを見ることしかできなかった。
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