capture19 担当者としての電話応対 ~アポイントメントの取り方~
ある日の、部活の休み時間にて…
”ピポパポ…”
”プルルルルル…”
「お姉!神妙な面持ちで、一体どうしたの?」
「シーッ!今3年生の先輩が、恐らく就職活動で電話をかけているから、静かにしているだけよ…」
”ガチャ…”
『…』
『私、都立けやき商業高等学校3年×組の〇〇と申します』
『…』
『…はい、そうですね…明後日の15時からはいかがでしょうか?』
『…』
『ありがとうございます!では、明後日の15時にお伺いしたいと存じます。よろしくお願い致します』
”ツーツーツー…”
「明後日の15時から面接になったのね!」
「ええ。明後日以外にも何日か選べたけど、明後日ならこれから準備もできるし、いいかなぁと思って!」
「…」
「お姉、どうしたの?」
「いや…多分先輩方は面接のアポイントメントを取っていたんだと思うんだけど、お願い事・謝罪・相手の立場が上みたいな状況の時って、こちらから条件を一切提示しないのが原則だって足達先生が授業で言っていたから、先輩の電話、大丈夫かなぁ…と思ってね…」
***
アポイントメント(面会予約)を取る場合の大原則として『双方の都合を考慮する』があります。
これを実現するため、一般的にはこちらから候補日を挙げ、双方の都合を確認し、こちらの都合に合わない場合は相手の都合を聞いて、再検討します。
但し、お願い事や謝罪する時、相手の立場が上といった状況の場合は相手に100%都合を合わせるのがベストで、こちらからは一切条件を出さないようにするのが一般的です。
また、こちらに日程の余裕がなく、相手に合わせてもらう場合には、『勝手なお願いで申し訳ありません』等のクッション言葉を用いて相手に気持ちを伝え、こちらの日程に合わせてもらうようにします。
こちらの予定が詰まっているが、相手が重要な取引先で都合を合わせてもらうのに気が引ける場合でも、相手の都合を聞いてしまうと、それを全て断ることになってしまい、かえって相手の印象を悪くする可能性があるので、先の候補日を挙げ、こちらの日程に合わせてもらうようにします。
今回のパソコン部の3年生は、就職面接をしにいく会社に電話をかけ、相手が候補日を何日か挙げたため、自分に都合の良い明後日と答えていました。
相手が候補日を挙げているのだから、その中からチョイスするのは問題ないように思えますが、これから面接を受けようとしている会社な訳ですから、立場としては相手が上です。
相手の立場が上の場合、相手の都合に合わせるのがベストですから、今回のケースの場合、例え相手が候補日を複数挙げたとしても『私はいつでも問題ありません』等の受け答えをしておいた方が無難です。
そう言った上で、それでも選んで欲しいと相手から言われた場合に、こちらの希望を言って面接日を決めるのが良いでしょう。
***
「…なるほどね…相手の立場が上の場合、相手の都合に合わせるのが原則なんだね~」
「そうよ!だから美琴!今後は私の都合に合わせるよ~に!」
「残念ながらお姉と私は姉妹だから、立場は同じなので、お姉の都合には合わせませんよ~」
「…そう言うと思ったわ…」
「…二人とも、何の話をしているんだ!」
「部長!」
「煉先輩!先輩の都合には、私は100%合わせますからね♪」
「???」
…
Afterword(あとがき) に続く
~検定問題にチャレンジ!~
販売課の増田美知子は、後輩から「先方とアポイントメント(面会予約)を取るときにはどのような点に注意した方がよいか?」と相談された。次は増田がアポイントメントを取る際の注意点として、後輩にアドバイスしたことである。中から『不適当』と思われるものを一つ選びなさい。
(剣世炸作成 ビジネス電話実務検定知識B級相当 オリジナル問題)
「1.こちらから複数の候補日を先方に提案し、面会日を先方に選んでもらうと良い」
「2.こちらの候補日と先方の都合が合わない場合は、こちらの都合を再度確認し、改めて先方に提案すると良い」
「3.こちらに日程の余裕がない場合は『勝手なお願いで申し訳ない』という気持ちを伝えた上で、こちらの日程に合わせてもらうようにすると良い」
「4.お願い事や謝罪をする場合は、相手の都合に合わせるのがベストなので、こちらからは一切条件を出さないようにするのが良い」
『不適当』な選択肢は…
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「2.こちらの候補日と先方の都合が合わない場合は、こちらの都合を再度確認し、改めて先方に提案すると良い」
~解説~
「アポイントメントを取る際に、こちらの候補日と先方の都合が合わない場合は、先方の都合を聞いて再検討するのがベストです。こちらの都合を確認して改めて先方に提案しても、その提案が相手に都合の悪いものであった場合には、同じことの繰り返しとなってしまうので、不適当ということです」
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