capture18 担当者としての電話応対 ~正確性の重要性~
ある休日の自宅にて…
”ピーンポーン…”
『こんにちは~お届け物で~す!』
”ガチャ”
『はいはい。今行きます!』
「真琴~悪いけど、今手が離せないの。代わりに出て頂戴!」
「わかったわ母さん」
”パタパタパタパタ…”
”ガチャッ”
「ここにサインか判子をお願いします」
”ポチッ”
「ありがとうございました~」
”ガチャッ”
”パタパタパタパタ…”
「受け取ったわよ…って…」
【お届け先 島後 陽子様 時間帯指定 13時】
「ありがとう………あらやだ!子どもの「子」以外、漢字が間違ってるじゃない!しかも時間帯指定が13時って…」
「えっ!?今13時過ぎだから、問題ないんじゃないの?」
「いや、私は19時でお願いしたはずよ!!」
「…ちなみに、これって何で注文したの?」
「電話よ。テレビショッピングでちょうど欲しいものをやっていたから、直ぐに電話したんだけど…」
~~~
『はい!テレビ東都テレビショッピングです!』
『今テレビでやっていた商品を注文したいのだけど…』
『お電話ありがとうございます!それでは、早速発送先の住所と電話番号をお願いできますでしょうか?』
『郵便番号が〇〇〇-×××× 九王子市▽▽町1-2-3 名前は しまじり ようこ です。電話は090-XXXX-YYYY です』
『お届けの日時や時間帯の指定はございますか?』
『〇月×日の しちじ でお願いします』
『かしこまりました~中略~それでは、〇月×日にお届け致します。この度はご注文、誠にありがとうございました』
~~~
「普通、電話注文って、届け先や客の名前って正確に把握する必要があるから、復唱するものだけど…」
「…とくに無かったわね…」
「だから、名前の漢字も子どもの子以外間違っているし、時間帯もこの時間になっちゃったのね…」
***
今回の例で、テレビ東都の電話オペレーターは『復唱』を怠ったことにより、客の名前の誤植と、お届け時間帯の指定ミスを発生させてしまいました。
ビジネス電話では『正確性が最重要』であるとされており、相手先の情報については『復唱』をして、正確に把握する必要があります。
復唱で確認すること以外に注意しておきたい点としては…
『電話をする前に必要事項や資料を準備しておく』
『相手が電話に出やすい時間を把握し、その時間を見計らってかける』
『最初にかけた用件と結論を伝える』
『日時・数字・固有名詞などは一音一音はっきりと発音することを心掛け、復唱したり、分かりやすい言い回しにする』
『必要ならばあらかじめ資料を送っておく』
『相手の質問をある程度予測し、回答を準備しておく』
等を挙げることができます。
今回の真琴さんのお母さんの場合、電話オペレーターとしては
『大変恐縮ですが、お名前は漢字ではどのように書けばよろしいでしょうか?』
『お届けは、〇月×日の夜7時(若しくは19時)でお間違いないでしょうか?』
等と復唱すべきでした。
多少名前の漢字に誤りがあったとしても、一戸建ての住所だったりすると、宅配業者は気を利かせて届けてくれることも多いですが、電話のプロとしては、やはり固有名詞は復唱等で間違いを防止する工夫をすべきですし、間違いを起こさないことで、電話の先のお客様からの信頼を勝ち取る必要があるのです。
***
「それにしても、この荷物届いて良かったわね母さん!」
「まぁ、嶋尻って苗字はこの辺りにはいないからねぇ」
「…そう言えば、父さんと母さんって、職場結婚だったんだよね!」
「そうよ~私が勤めていた会社の本社に、父さんが近畿支社から栄転してきてね…って!親の馴れ初めを、子どもが聞くものじゃありませんよ!」
「…それもそうね」
「そういう真琴は、良い人はいないの?父さんには黙っててあげるから!」
「私にはそういう人は…」
…
capture19 に続く
~検定問題にチャレンジ!~
新人の木原敬子が外出中の課長あての電話で、相手の名前が「マキタ」と聞こえ、復唱して確かめたのに実際は「アキタ」だったことがある。次は、このような間違いをしないよう、どうすればよかったか木原が考えたことである。中から『不適当』と思われるものを一つ選びなさい。
(第23回 ビジネス電話実務検定 知識B級より)
「1.『マミムメモの『マ』にキタでよろしいでしょうか』と尋ねればよかった」
「2.『お名前を確認しますがマキタ様でいらっしゃいますね』と尋ねればよかった」
「3.『マキタ様は牧場の『マキ』に田んぼの『タ』でしょうか』と尋ねればよかった」
「4.『マキタ様のお名前は漢字でどのようにお書きするのでしょうか』と尋ねればよかった」
『不適当』な選択肢は…
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
「2.『お名前を確認しますがマキタ様でいらっしゃいますね』と尋ねればよかった」
~解説~
「『マキタ』と復唱して確かめたのに『アキタ』だった訳です。これは『マ』と『ア』は発音が似ているので聞き間違えやすいからです。従って『マキタ』と確認するのでは、同じことの繰り返しとなるため不適当ということです」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます