capture17 担当者としての電話応対 ~親しみを込めた挨拶と話題の手がかり~

 ある日の帰宅後…


”ピーンポーン”


「こんにちは~お届け物で~す!」


「はいは~い!今行きま~す!!」


”トントントントン…”


”ガチャッ”


「判子かサインお願いします」


「は~い」


”ポチッ”


「ありがとうございました」


「お疲れさまで~す」


”ガチャッ”


”パタパタパタパタ…”


「宅急便屋さん?」


「お姉!そうなんだ~この前電話で頼んだものが着いたの!」


”ガサゴソ…ゴソガサ…”


「それって…男物のネクタイピン?」


「そうなんだ~あの有名ブランド、ポー◯スミスの新作で、可愛い猫がモチーフになってるんだよ♪」


「…本当だ!確かに可愛いわね♪」


「でしょ!」


「あなたも先輩も、猫大好きだもんね♪」


「うんうん♪」


「でね、このタイピンを買った店って、パパの誕生日プレゼントを買うときに使ったところなんだけど、さすが高級品を扱っている店だけあって、電話の応対も抜群に良いんだ~」



~~~



『はい!紳士雑貨の店☆☆でございます』


『こんにちは!以前そちらでネクタイを購入した嶋尻美琴という者ですが…』


『嶋尻様!いつもありがとうございます!!先日はお父様へのプレゼントをご用命頂き、誠にありがとうございました!』


『えっ!?私のこと、覚えているんですか?』


『もちろんでございます!犬が大好きなお父様のために、可愛らしいラブラドールの刺繍が施されたネクタイをご提案させて頂きました!』


『パパも、私からのプレゼントを見て、とても喜んでいました。あの時は、本当にありがとうございました!!』


『お客様に喜んで頂けて、弊社としてもとても嬉しいです。それで、本日はまた贈り物のご相談でいらっしゃいますか?』


『そうなんです!実は付き合っている大学生の彼氏に、猫をモチーフにしたネクタイピンを贈りたいと思っていて…』



~~~



「この店って、今時珍しく電話でしか注文のできない通販の店なんだけど、けやき商女子の中でも評判が良いんだ~」


「その店のオペレーターさんに対する教育がしっかりしていて、からこそなせる業という訳ね♪」



***



 電話の担当者としてあいさつをする際は、通常の取次の電話応対よりも一層、をするよう心掛けるようにします。


 そのためには、美琴さんに担当者が言った『いつもありがとうございます!』といった言葉や『先日は大変お世話になり、誠にありがとうございました』といった言葉を言った後、ようにします。


 この対応をすることで、電話の相手は『以前話をした時のことを覚えてくれている』という気持ちになり、相手が見えないというと同時に、となります。


 このように、ビジネス電話の担当者には、が求められる、という訳です。



***



「…ところで、そのタイピン、プレゼント用の包装がされていないようだけど…」


「…しまった!!前回パパにネクタイをプレゼントした時は、ネクタイと一緒に他のものも自分で包装して渡したから、包装をお願いするの忘れちゃったよ…」


”ジー”


「えっ!?私に包装しろって!?」


「お姉!材料はあるから、お願い!私がやると、あまりうまくいかないんだ…」


「…分かったわよ。その代わり、今度カフェでおごりなさいよね!」


「へ~い」


capture18 に続く



~検定問題にチャレンジ!~



 専門学校事務員の醍醐遼は、先輩から『電話に出る時は、親しみを込めた挨拶を心掛けるように』とアドバイスされた。次は醍醐が、先輩からのアドバイスを元に行った電話応対である。中から『不適当』と思われるものを一つ選びなさい。

(剣世炸作成 ビジネス電話実務検定知識B級相当 オリジナル問題)



「1.事務用品の購入をしている業者の担当者からの電話に対し『いつも大変お世話になっております』と言った」



「2.学校見学で引率をしてくれた高校の先生からの電話に対し『先日はご足労頂き、誠にありがとうございました』と言った」



「3.学生がアルバイトをしているという企業からの電話に対し『本校学生がいつもお世話になっております」と言った」



「4.オープンキャンパスに参加したいという高校生からの電話に対し『この度はわざわざご連絡頂き、ありがとうございます』と言った」



 『不適当』な選択肢は…

























「4.オープンキャンパスに参加したいという高校生からの電話に対し『この度はわざわざご連絡頂き、ありがとうございます』と言った」



~解説~



「『』には『特にそのためだけに行うさま』という意味の他に『しなくてもよいことをことさらするさま』という意味もあります。今回の応対としては、前者の意味として行ったものと思われますが、人によっては後者として捉えてしまい、気分を害する人もいるかも知れません。よって、今回の場合は『この度は…』『この度はご連絡頂き、…』といった表現にするのが良いでしょう」

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