capture16 一般的な電話応対 ~電話のかけ方~
ある日の帰り道のこと…
「よ~し!今度こそ内定を勝ち取ってやるぞ!!」
”プルルルルル…”
「ねぇ、あそこで独り言を言っている人ってさ、どっかで見た気がするんだよね…」
「…前にこの辺で電話してて、エントリーを取り消された就活生ね。まだ就職活動をしているみたいね」
「『内定を~』なんて言っていたから、また就職活動先に電話でもしているのかな?」
「とりあえず、様子を見てみましょうか?」
”ガチャ”
『…』
『私、求人サイトの〇〇から、御社にエントリーをしている××と言います』
『…』
『こんにちは!求人担当の□□さんをお願いしたいのですが…』
『…』
「前に比べて、電話のかけ方がうまくなってる気がするけど…」
「そうね。『××と言います』は『××と申します』、『□□さんを』は『□□様を』といった具合で言い方を改める必要はあるだろうけど…」
「ねぇねぇ!あの人さ、『こんにちは』って言ってたけど、ビジネスの電話で『こんにちは』って有なの?」
「まぁ、あの人は大学生だから致し方ない部分もありそうだけど、普通、ビジネス電話での挨拶は『いつもお世話になっております』が基本ね!」
***
電話をかける際には、相手の番号・会社名・所属部署・役職・名前を確認しておき、話をする用件を分かりやすくまとめておくのが基本です。
また、相手から電話内容について質問されることも考えられるため、必要書類は手元に置いておき、場合によっては想定問答も考えておきます。
ビジネス電話では、互いに会社名と氏名を名乗った後、例え相手が今回話すのが初めての相手だったとしても、今後お世話になるかも知れないということを想定し『いつもお世話になっております』という挨拶をします。
この挨拶は、使い慣れていない人からすると『この人と話すのは初めてなのに…』と変な気分にさせられるものですが、ビジネス電話における挨拶の基本となるものですので、押さえておきたいところです。
***
「…どうやら、相手の会社の担当者に代わったみたいよ」
『…はい!求人サイトの〇〇から、エントリーさせて頂いた××です!』
『本日の面接なんですが、実は今、すぐ近くまで来ておりまして、少し早いのですが、向かってもよろしいでしょうか?』
『…』
『ありがとうございます!!それでは向かわせて頂きます。宜しくお願いします!』
”ポチッ”
”ツーツーツー…”
「…これからこの近くの会社に面接に行くみたいだね!」
「とりあえず、今回は門前払いにはならなかったみたいね」
「担当者に変わってからの応対の仕方だけど、お姉、この前『クッション言葉』がどうとか、言ってなかったっけ?」
「そうね。担当者に変わってから、あの人は自分の名前を名乗ってすぐ本題に入っていたけど、本来はクッション言葉を使った後、相手の都合を確認してから本題に入るべきね!」
***
クッション言葉とは、相手との話をスムースに進めるために用いられる、相手のことを気遣った表現の言葉のことを指します。
ビジネス電話の場合、相手の仕事中に否応なしに自分との会話を割り込ませる訳ですから、クッション言葉を用いた上で、相手の都合を確認する一言を言うのが筋という訳です。
今回の就活生の例の場合だと、名前を名乗った後に『お忙しいところ大変恐縮ですが(この部分がクッション言葉)、本日の面接の件で、お時間を頂いてもよろしいでしょうか?』といったような話し方が必要ということになります。
***
「なるほどね!それとさ、電話が終わった後、あの人すぐに電話を切ったけど、あれってビジネスマナー的にはOKなの?」
「そうね。電話は『かけた方から切る』のが基本だから、あの人から切ったことは問題ないんだけど、かけた相手が上得意(特にひいきにしてくれている)のお客様だったり、お願いや謝罪の電話をした場合は、相手が切るのを待つのがマナーになるわね」
「それじゃ、あの就活生の場合は面接をお願いしている訳だから、マナー的には相手が電話を切るのを待った方が良かった、って訳だね!」
「そういうことになるわね」
***
真琴さんが言っているように、電話は『かけた方から切る』のがマナーとされています。
しかし、相手が大切なお客様だったり、お願いや謝罪の電話をかけた場合には、例えこちらからかけた電話だったとしても、相手が切るのを待ってから切るのが良いとされています。
尚、相手が切るのを待っている際、いつまでたっても相手が電話を切らず、通話が続いてしまう場合もあります。
その場合は、数秒(2~3秒位)待ち、それでも相手が電話を切らない場合は、こちらから電話を切るようにします。
***
「さて!それじゃ猪突猛進しますか!!」
「随分と気合が入っているようだけど…」
「突撃して『撃沈』しなければ良いわね」
capture17 に続く
~検定問題にチャレンジ!~
次は営業課の梅田良介が、電話をかけるときに心掛けていることである。中から『不適当』と思われるものを1つ選びなさい。
(第20回 ビジネス電話実務検定 知識B級より)
「1.用件が幾つかあるときは手元にメモをおき、済んだ用件をチェックしながら話すようにしている」
「2.時間がかかりそうな用件のときはかかる時間を伝えて、相手がよいと言ってから用件に入るようにしている」
「3.今日中に頼みたいことがあるとき、相手が忙しそうな様子だったら、後で手が空いたら電話をもらいたいと言うようにしている」
「4.数量や前年比など図表の内容を伝えるときは、先にメールやファックスで図表を送り、それを見ながら聞いてもらうようにしている」
『不適当』な選択肢は…
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
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「3.今日中に頼みたいことがあるとき、相手が忙しそうな様子だったら、後で手が空いたら電話をもらいたいと言うようにしている」
~解説~
電話をかけたらまず都合を尋ね、よいと言われれば忙しそうでも用件を話して構いません。時間が取れないと言われれば、こちらの頼み事ですから相手の都合を聞いてかけ直すことになります。今日中のことでも、相手から電話をもらいたいと言うなどは、電話のマナーに反しているため不適当ということになります。
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