chapter12 携帯電話のマナー

 ある日の通学途中の電車内にて…


”♪~”


「(誰よ…電車の中で携帯電話をマナーモードにしていない人は…)」


”ポチッ”


『はい。○○株式会社 営業の郷田です…』


『……何だ。沙織か。どうしたんだ?』


『………』


『…ああ。今日の夜10時だよ。間違いない』


『それじゃ、また後で…』


”ツーツーツー…”


「ねぇお姉。あの人、サラリーマンみたいだけど、全然マナーがなってないよね…」


「そうね。私たちは電車に乗る前に必ずマナーモードにしているけど…。それにあの人、最初に会社の名前を名乗っていたから、恐らくあの携帯電話はのものだと思うけど、何だかデートの確認を電話してきた相手としていたわよね…」


「社用の携帯電話って、業務のために会社が支給したりするんでしょ?」


「そうね。だから、な訳で、使だし、わね」



***



 まず、公共交通機関では、優先席付近では電源を切り、それ以外でもです。

 加えて、ではマナーモードではなく、でしょう。

 更に、どんなに相手が大事な得意先であったとしても、、緊急時は安全な場所に駐車してから話すようにします。です。


 また、社用の携帯電話は、美琴さんが指摘している通り、であり、不用意に他人に教えるべきではなく、使



***



”♪~”


「お姉…またあの人みたいだよ…」


”ポチッ”


『もしもし恭介か!どうした?』


『……ああ、俺は来月から本社勤務になるって課長が言ってたな…』


『そうだな!仕事場もお互い近くなるし、来月飲みに行こうぜ!』


『じゃあな!』


”ツーツーツー…”


「…今度は自分の携帯だったみたいだけど…電車の中でマナーモードしてなくて、通話までしたね…」


「いくら自分のこととは言え、社外秘情報である会社の人事のことについて、周囲にたくさんの人がいる状態で通話していた上、勤務時間中に私用の携帯電話を使っていた…し、だって、足達先生が言っていたわ…」



***



 勤務時間中は、で、緊急の場合は使用しないのがマナーです。

 また、面談中に電話が鳴ると相手に失礼となるばかりか、場の雰囲気を壊しかねないため、となります。


 さらに、会社の人事や経営内容などの、いわゆるです。

 「壁に耳あり障子に目あり」とも言います。不用意に赤の他人に携帯電話の通話から経営情報を聞かれ、聞いた人が株等で大儲けし、それが


 総務省の統計によれば、日本の携帯電話の契約件数は、2016年3月末現在、約1億9,569万で、その普及率は154%にも及ぶとのことです。※1

 社会人の2台持ちが当たり前となりつつある携帯電話。マナーを守り、周囲に迷惑となるような行為を行わないよう、心掛けたいものです。



 chapter13 に続く



~検定問題にチャレンジ!!~


 次は新人の上野ひかりが先輩から、取引先担当者の携帯電話に電話するときの心掛けとして教えられたことである。中から『不適当』と思われるものを1つ選びなさい。

(第16回ビジネス電話実務検定知識B級より)



「1.相手が直接出るはずだが、念のため「○○様でいらっしゃいますか」と確認してから話し出すこと。」



「2.相手は画面で誰からの着信かを見てから電話に出るので名乗る必要はないが、世話になっているあいさつはすること。」



「3.相手の声が聞こえにくいときは、電話をしておいて申し訳ない、声が聞こえにくいので後でかけ直すがよいかと言うこと。」



「4.相手が電話に出ない場合、着信記録は残るが、それで済まさず留守番電話に自分の名前と急用かどうかを録音しておくこと。」



「不適当」な選択肢は…























「2.相手は画面で誰からの着信かを見てから電話に出るので名乗る必要はないが、世話になっているあいさつはすること。」



~解説~


 相手には画面で誰からかが分かっているとしても、声だけのやりとりでこちらの姿が見えない訳ですから、名乗るのが自然で礼儀にかなうというものです。

 世話になっているあいさつ(「いつもお世話になっております」等)をするのはどの場合でも必要なので良いのですが「名乗る必要はない」と先輩が教えたのが不適当、ということになります。



※1 総務省 電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表 (平成27年度第4四半期(3月末))http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_02000106.html

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