chapter11 間違い電話などへの応対

 ある日の部活終了後のこと…


”♪~”


「お姉!スマフォが鳴ってるよ…」


「えっ?本当だ…これは、知らない番号だけど…」


”ポチッ”


『もしもし~西城さんの携帯電話ですか?』


『いえっ。私は西城ではありません。お掛けになった電話は 090-XXXX-YYZZ ですか?』


『すいません。どうやら間違えてしまったみたいです。失礼しました』


『いいえ。では、失礼します』


”ツーツーツー”


「間違え電話だったみたいだね。それにしても、「違います」だけじゃなくて、お姉はこっちの電話番号を言っていたけど…」


「この前の足達先生の授業でちょうどやったのよ。間違え電話の場合、納得してもらえるって」


”♪~”


「お姉!また電話みたい」


「…これも私の知らない番号だけど…」


”ポチッ”


『…』


『もしもし?』


『…』


『もしもし。聞こえますか?』


『…』


『私は嶋尻真琴です。電話が遠くて、そちらの声が何も聞こえませんが、私の声は聞こえていますか?』


『…』


『すみませんが、そちらの声が届いていないので、改めてかけて頂けますか?電話は切らせて頂きます。失礼いたします』


”ツーツーツー”


「今度は何?いたずら電話?」


「そうかも知れないし、相手の電波の状況が悪くて私だけ聞こえていなかっただけかも知れないわ」


「それで、、相手の声が全然聞こえないと言った上で、訳か!」


「さっきの対応だったら、いたずらだったとしても特に問題にならないし、しね!」


”♪~”


「お姉!またまた電話だよ…」


「……また違う番号だわ…」


”ポチッ”


『もしもし?』


『はい。嶋尻ですが?』


『おっ?この番号は当たりかぁ♪嬢ちゃん。これから俺と遊びに…』


『どうやら私には関係のない内容のようなので、切らせてもらいます。失礼します!!』


”ツーツーツー”


「…すごい剣幕だけど、いたずら電話?」


「その通りよ…ビジネス電話でも、明らかないたずら電話や嫌がらせ電話の場合って足達先生が言ってたわ。だけど本当は、さっきの私みたいになんだけどね…」


「確かに、ビジネス電話で感情的になったりしたら、切った後もしつこく電話をかけてきそうだもんね…さっきの電話番号、着拒した方がいいんじゃない?」


「そうね。忘れないうちにしておくわ…」



 chapter12 に続く



~検定問題にチャレンジ!!~


 土屋優作はY社に問い合わせたいことがあったので、Y社の電話番号を調べてメモし電話をかけたところ、違う会社にかかってしまった。

 相手が「こちらは~番です」と教えてくれた番号は土屋のメモの番号と同じである。このような場合、土屋はどのように言うのがよいか。次の中から『』と思われるものを1つ選びなさい。

(第19回ビジネス電話実務検定知識B級より)



「1.「失礼ですが、そちらさまはY社とは関係ございませんか」」



「2.「電話番号を間違えてしまったようです。申し訳ございませんでした」」



「3.「恐れ入りますが、この番号がY社につながるということはございませんでしょうか」」



「4.「失礼いたしました。その番号におかけしておりましてメモの通りなのですが、何かご存じですか」」



 『適当』な選択肢(間違い電話をしてしまい、相手が番号を言って教えてくれた場合)は…























「2.「電話番号を間違えてしまったようです。申し訳ございませんでした」」



~解説~



 相手が電話番号を言い、土屋がメモした番号に違いがないことから、この場合、土屋が電話をかけ間違えたことは確実です。

 恐らく、Y社の電話番号を調べメモした際に写し間違えたか、その情報そのものが古い情報だったのでしょう。

 こういった場合には、間違えてしまったと言って謝るより他の正解はなく「その会社がY社と関係ないか」「絶対にこの番号はY社とつながらないか」「メモと番号が同じだが何か知らないか」と相手に尋ねるのは筋違いということになり、適切な選択肢とは言えない、ということです。

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