chapter13 対人技能-話し方~提示・説明の仕方~-
ある日の部活終了後、私は妹の美琴と煉先輩の3人で、駅に向かっていた。
「煉先輩!その腕時計、どうしたんですか?」
「ああこれか?昨日、家電量販店にパソコンを見にいったんだが、ついでに腕時計コーナーに行ってちらっと見ていたら…」
~~~
「いらっしゃいませ。腕時計をお探しですか?」
「えっ…ええ、まあ…」
「どのようなものをお探しで?」
「シンプルなデザインで、時計の機能だけあればいいんです」
「かしこまりました。少々お待ち下さい…」
「こちらはいかがでしょう?右側のネジを横に引くと時計が止まり、時間調整ができます」
「その時、秒針が自動的に「12」まで進むので、時間を合わせやすくなってます」
「また、こちらのモデルには「電波時計」型もあり、時間を合わせるのが面倒な方にはそちらがオススメです」
「それぞれいくらなんですか?」
「お客さまは、当店の会員でいらっしゃいますか?」
「これで大丈夫ですか?」
「はい!問題ございません。ちょうど今セールを行っていて、通常モデルが○○○○円、電波時計型が××××円になってます。」
「普段の価格と比べて50%offになっているので、大変お得です!いかがでしょうか?」
~~~
「…それで、電波時計型のモデルを購入したんですね…」
「そうなんだ!パソコンもそうだったんだが、ちょうど腕時計も新調しようと思っていたし…」
「店員さんの無駄のない、的確な分かりやすい説明を聞いて、買おうと思ったんだよ!」
***
サービススタッフに求められる提示や説明の仕方は、偏に「お客さまに分かりやすく」と言えます。
また、お客さまからの信頼は、「分かりやすく説明して納得してもらうことから得られる」とも言えます。
お客さまに対する分かりやすい提示と説明は、「セールストーク」であるとも言えるのです。
***
「ショップの店員さんって、総じて説明のうまい人が多いですよね!」
「そうそう!私もショッピングモールに行くと、店員さんのうまい説明に乗せられて、ついつい大買いしちゃうんだよね…」
「美琴…あなたの場合は、店員さんの説明のうまさは、あまり関係ない気がするけど…」
「まぁ、いずれにしても、気持ち良く買い物ができて良かったよ!」
「私も将来就職したら、お客さまにそう思ってもらえるよう、頑張ってサービス接遇を勉強します!」
chapter14 に続く
-検定問題にチャレンジ!-
レディースショップのスタッフ田川由香里はお客さまから「この前あった服を買おうとしたけど、もうないの?」と言われた。女性用の服はデザインがすぐ変わるので同じものを探すのは無理である。このような場合、田川はこのお客さまにどのように対応するのがよいか。次の中から「不適当」と思われるものを一つ選びなさい。
(第31回サービス接遇実務検定3級より)
「1.がっかりしているであろうから、似合いそうな類似の服を探し、特長などを話して薦めるのがよい。」
「2.女性の服はすぐに新しいデザインが出るから、今は別の似合う服を探す方がよいと話すのがよい。」
「3.目をつけていた服がなくなってしまったのだから、残念と同情して早く諦めてもらうようにするのがよい。」
「4.がっかりしているであろうから、同情した言い方で、近々新しい服が入るので見に来てもらいたいと言うのがよい。」
「5.女性の服はいろいろあるので、こだわらずに別の物を探すと、新しく似合う物があるのが分かるなどと話すのがよい。」
「不適当」な選択肢は…
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「3.目をつけていた服がなくなってしまったのだから、残念と同情して早く諦めてもらうようにするのがよい。」
-解説-
目をつけていた服がなくなっていたら他の服に目を向けさせるのがスタッフの仕事です。同情するのはよいのですが、諦めてもらうとはこの後のことは考えないようにするということと同じです。他の服に目を向けてもらわないといけないのに、諦めてもらうようにするなどは「不適当」ということになります。
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