chapter12 対人技能-話し方~基本的な話し方(NGなバイト敬語)~-

「…ご注文は、○○と××ででしょうか?」


「…」


「どうしたの?お姉!」


「何か違いましたか?」


下さい…」


「………いえ、何でもありません。それで大丈夫です」


「かしこまりました。少々お待ち下さい」


 私は美琴と一緒にファミレスに入り、注文をしていた。


 しかし…


「どうしたの?さっきから…」


「さっきの店員さん「」が目立つなぁと思って、ね…」


「そんなこと言ったら、あのレジにいる店員さんは?」



「お会計、3,255円です」


「3,500円お預かりします…」


「245円とレシートのお返しです」


「いつもありがとうねぇ」


!!」


「またお越しください!」



「う~ん…接客の感じは良いんだけど…やっぱり言葉の誤用が目立つわね…」


”スタスタスタ…”


「お待たせ致しました」


「こちら、○○!」


「…」


「何か?」


「いえ、何でもないんです。そこに置いておいて下さい」


「???失礼します」



***



 真琴さんは、ファミレス店員の言葉の誤用が気になって仕方がないみたいですね…


 一部では「」とも言われる「よろしかったですか」などの言葉は、です。


 接遇用語を基本とした丁寧な話し方や表現される気遣いは、サービス接遇スタッフとしての基本的な話し方であります。


 ですが、世に出回っている「誤用」に振り回され、その言葉遣いをすることでサービス接遇スタッフが、世に溢れています。


 今回紹介した誤用の正しい言い回しは…


ですか?

よろしいですか?

よろしゅうございますか?


お話下さい

お話下さい


3,500円お預かりします

3,500円、お預かりします


とんでも

とんでもないです

とんでもないことでございます


こちら、○○

○○でございます。


となります。


また、今回登場した店員が話していない言葉以外にも…


お弁当は温めますか?

お弁当は温めますか?


○○様でね。

○○様でいらっしゃいますね。


なども誤用となりますので、注意が必要です。



***



「足達先生の選択授業で教わったからなんだろうけど、言葉の誤用は気になってしまうわね…」


「そう言えば、この前流行りのドラマでも「とんでもございません」って言葉がセリフになってたなぁ…」


「私たち位の年代で「バイト敬語」を気にする人は、そんなに多くはないんだろうけど…」


「年配の方が多くいらっしゃるお店なんかは、バイト敬語は絶対にNGだよね…」


「うちのおじいちゃんとおばあちゃんも、言葉遣いにはうるさいもんねぇ…」


「私たちは、社会に出る前に、検定の勉強を通して正しい言葉遣いを身につけておかないとね!」


「(…これは、来年お姉と同じ選択授業を選択するの、確定だな…)」



chapter13 に続く



-検定問題にチャレンジ!-


 次の「 」内は、クッキー専門店のスタッフ安本幸枝がお客さまに言った言葉である。中から「不適当」と思われるものを一つ選びなさい。

(第34回サービス接遇実務検定3級より)



「1.贈り物ならリボンを掛けようかということを

「ご進物でしたらリボンをお掛けいたしましょうか」」



「2.地方発送もできるので利用してもらいたいということを

「地方発送も承っておりますので、ご利用くださいませ」」



「3.うちの自慢のクッキーなので、ぜひ味わってほしいということを

「当店自慢のクッキーですので、ぜひご賞味してくださいませ」」



「4.これは日持ちしないので、早く食べてもらいたいということを

「こちらは日持ちいたしませんので、お早めにお召し上がりくださいませ」」



「5.注文のクッキーは、明日の何時までに用意すればよいかということを

「ご注文のクッキーは、明日の何時までにご用意すればよろしいでしょうか」」



「不適当」な選択肢は…


























「3.うちの自慢のクッキーなので、ぜひ味わってほしいということを

「当店自慢のクッキーですので、ぜひご賞味してくださいませ」」



-解説-



先ほども出てきた「バイト敬語」の一つです。

「ご賞味…」が不適当で、このような言葉遣いはありません。

この場合の適切な言い回しは「ご賞味くださいませ」「ご賞味くださいませ」などとなります。

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