chapter03 専門知識-サービス知識-
「ありがとうございました!!またお越し下さいませ!」
「お姉!ごちそうさま!!」
「もう!今日だけよ!!」
「は~い!」
私は、自宅近くの商店街にあるバーガーショップで美琴と一緒に昼食を済ませ、店から出た。
「それにしても、同じバーガーショップでもこの商店街のバーガーショップの店員さんの対応は、特に良い感じがするんだけど、気のせいかなぁ…」
「美琴!良く気づいたわね!!私もそう思っていたの!」
「「表情が明るい」って言うか、「言葉遣いが丁寧」って言うか…」
「「客が満足する対応をしている」」
「って感じがすると思う!」
***
サービスの意義は「お客様に満足を提供すること」「事業運営上に好影響を及ぼすこと」にあります。
・とても感じの良い応対だった
↓
・また行きたい!!
と思って頂けるように、サービス業は「感じの良いお客様応対の向上を常に目指し努力し続けること」が大事だと言えます。
***
「この間も、閉店間際でお掃除を始めようとしていた時に、滑り込みでお店に入ったんだ!」
「あなた、随分迷惑なことをしているわね…閉店間際って…あぁ、検定前の補習で随分遅くまで戸山先生から教わっていた、あの日ね…」
「「今日は遅くなったから、これで帰りに夕食でも食べていきなさい」」
「って言って、バーガーのタダ券を先生がくれたものだから…」
「普通、閉店直前ってマシンの掃除とかしてるみたいだから、商品売ってくれないお店が多いみたいだけど…」
「そうだよね!私が行った時も、お掃除を始めていたみたいなんだけど…」
「まだ閉店時間ではございませんので、遠慮なくご注文下さい!!」
「って言ってくれたの!」
「「閉店間際って理由だけで断られなかった」のは嬉しかったなぁ!!」
***
サービスの機能とは「お客様の要望に応えるために行う働き」であると言えます。
従って「お客様あってのサービス業」という認識で…
「特に問題のないお客様からの要望には極力対応する」
のが鉄則であると言えます。
・開店や閉店間際という理由だけで断らない
・忘れ物や落し物を管理し、持ち主に連絡できる場合は連絡する
・商品陳列方法の工夫や他店で購入したものの同梱、自分の店にない商品を取り扱っている店の案内
・サービス向上月間等ではサービスの原点を見直し、より良いサービスを考察する
・マニュアルを基本とし、さらに良いサービスの提供を目指す
といったことを念頭に置き、サービス業ではサービスの機能向上を図っています。
***
「そう言えば、この前若林先生に頼まれて部員全員のバーガーとポテトを買ってきたじゃない?」
「あぁ、この前の土曜日の!!」
「そうそう!その時にもここに買いに来たんだけど、紙ナプキンをバーガーやポテトとは別の紙袋に入れてくれてたの!!」
「ここ以外のバーガーショップだと、紙ナプキンと商品を一緒に入れることが多いよね…紙ナプキンとポテトが接触していると、ポテトの油分が紙ナプキンにくっついて、何枚か使えなくなっちゃうんだよね…」
「そうそう!こういうちょっとした気遣いって、本当に嬉しいわ!」
「他にも、ここのバーガーショップは、小さな子どものためにプレイルームが用意されていたり、並んでいる時に手の空いている店員さんがメニューを持ってきてくれたり、私のことを知っている店員さんが「いつもありがとうございます」って声を掛けてくれたり「この店に来て良かった」と思えるようなサービスを提供していると思うの!!」
***
サービスの種類にはさまざまな形がありますが、共通して言えることは「個々のお客様に対応した応対をすること」であります。
・洋服の着こなしについてアドバイスをする際は、色合いによる季節感があることを案内する
・プレゼント用のネクタイを勧める時には、贈る相手の雰囲気や好みを尋ねる
・品選びで迷っている時には、組み合わせや色合い等を提案する
・購入を決めかねている際は次のようにアドバイスする
「派手過ぎないか」→「若々しく見える」
「色が大人し過ぎ」→「飽きがこないから長く使える」
「デザインがシンプル」→「色々な物にあわせやすい」
・雨天時は出入口にタオルを用意しておく
・子連れの客は奥の席に通す
以上の事例は「サービスの仕方の基本」であり、多種多様のサービスの種類の中から、目の前のお客様に最適なサービスを選択し、実行することが大切だと言えるのです!
***
「お姉!今度このお店に煉先輩を連れて来ようよ!」
「そうね!煉先輩とは、けやき商近くの駅前のバーガーショップにしか行ったことなかったわね。」
「私たちがこの店のリピーターになったみたいに、煉先輩もきっとこの店を気に入ると思うんだ!!」
「そうね!美琴、今度あなたから誘ってみて!」
「は~い!!」
chapter 4 に続く
-検定問題にチャレンジ!!-
スカート売り場のスタッフ相川咲江は先輩から、品選びをしているお客様への応対について次のような指導を受けた。中から「不適当」と思われるものを一つ選びなさい。
(第35回 サービス接遇実務検定3級より)
「1.デザインで迷っているお客様には、試着をすると選びやすくなると話して試着を勧めると良い。」
「2.金額で迷っているお客様には、形崩れしないで長く使えるのは値段に比例すると助言すること。」
「3.既に数点に絞って見比べているお客様には、品物のそれぞれの特長を話して参考にしてもらうこと。」
「4.どちらが良いか迷って決められないと言うお客様には、それならどちらも購入するのが解決策と勧めてみること。」
「5.無地にするか柄物にするかで迷っているお客様には、手持ちの上着を合わせてイメージすると良いと助言すること。」
「不適当」なものは…
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「4.どちらが良いか迷って決められないと言うお客様には、それならどちらも購入するのが解決策と勧めてみること。」
-解説-
「お客様はどちらが良いか迷っていますから、どちらにするか決められるようにアドバイスするのがこの場合のスタッフの役目です。両方購入することを勧めるなどは、お客様のことを全く考えていない、いい加減な応対であると言えるため「不適当」ということになります。」
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