正純先生の小説添削
山本正純
自首した男
今回ご紹介するのは、読む社会派刑事ドラマ「自首した男」です。
タイトル通り、男が自首する話です。
犯行が警察に知られる前に犯人として名乗り出れば、自首が成立します。
それのどこが面白いのかと、首を傾げている方も多いでしょう。
当然ですが、ただの男が自首する話ではありません。
今回自首してきた男は、二十四年前に代議士を殺害しました。
事件が起きたのは昭和六十三年。
一方で、この話の舞台は平成二十四年の東京都。
そのため、警視庁の刑事が言うわけですよ。
「その殺人事件の時効は十五年だから、逮捕できない」と。
平成十七年に時効が二十五年に延長され、現在では時効は廃止されています。
しかし、平成十七年以前に時効が成立していたら、刑法改正前の十五年が時効になるため、逮捕は不可能ということでした。
それを聞いた自称殺人犯は告白します。
「時効は成立していない」と。
男には海外の長期にわたる渡航歴がありました。
その期間は時効が休止するはずだと申し出たわけです。
この一連の流れは、犯人と刑事の立場が逆転しています。
普通ならば、逮捕できないと主張するのが犯人で、逮捕できると反論するのが刑事の役割でしょう。
男の供述通り、自宅の庭から白骨化した遺体が見つかりました。
物語はこれで終わりではありません。
男が殺したとされる代議士は、二十四年前に病死していたことが発覚。
食い違う死因の謎には、多くの官僚たちが関与していました。
衆議院議員や法務大臣など、政治家たちのオンパレードです。
また、公安調査庁長官の元には告発文が届きます。
果たして政治家たちは何を企てたのか?
なぜ男は、このタイミングで自首したのか?
政界に潜む巨悪に警視庁捜査一課が挑む!
読む社会派刑事ドラマ「自首した男」は現在カクヨムにて公開中です。
正純先生の小説添削 山本正純 @nazuna39
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