第34話  杞憂

 その日は、先週末に途中まで集草作業をしていた現場を仕上げることに費やされた。

 その後にゼオライトや肥料を撒いて耕運機をかけるのかと思っていたのだが、その現場に関してはそうはならず集草だけで終わってしまったのである。


 ジャングルのようになっていた現場だったので木の根をどうするのかと心配をしていたのだが、どうやらそれは杞憂だったらしい。


 そのあたりは、地権者と市役所とJV との間で話し合って決まっていたのだろう。

 一口に除染作業といってもいろいろで、案件によっては個別に事情は変わるのである。


 正直、集草以降の作業をするとなると、地中に埋まった木の根をどうするのか? そこから考えねばならず、大変な困難が予想されていた。


 俺達はその日の作業を終えながらも、少しホッとしていた。

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