第10話  健康診断

 俺は○○市民病院にすぐに電話をする。しかし電話に出た人は、電離則健康診断のことを知らなかった。暫く待たされた後に漸く可能との返答を得るが、事前予約が必要とのことだった。仕方なく最短の三日後に予約をする。


 当日は朝食を取らずに病院に向かった。健康診断なら当然のことだ。俺は空腹による不機嫌を押さえ込みながら受診をする。


 身長、体重、視力、聴力、血圧、胸部レントゲン、心電図、尿検査、血液検査等々。血液検査では三本もの容器に分けて採血された。それだけ調べる項目が多いのだろう。

 その後に医師による問診があるのだが、内科の他、眼科や皮膚科の三診療科で受けなければならない。これが電離則健康診断たる所以なのか。大層なものだ。


 結局、その日の内に診断書を手に入れることができた。ただし費用は両方で一万七千円も掛かった。

 それが高いのか安いのかは俺には分からない。でも何となく高いような気がする。


 俺はその診断書を早速応募会社に速達で送った。一週間という期限に間に合ったかどうかは、正直なところ微妙である。

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