現代短歌は面白い!
小説人間だったワタクシが短歌を始めた理由はだいたい5つ位ある。
……そんで、そのうちの一つが枡野浩一氏の「ショートソング」という小説本。そこに書かれていた口語短歌がとても魅力的で、「あ、短歌ってオシャレかも、こういうのちゃちゃっと作れたらカッコイイかも(に比べて、小説書いてるっていかにもオタクっぽくて中二病的で恥ずかしいじゃん)」と思った。ま、要するに「ヒカルの碁」を読んで囲碁を始めるみたく、小説という別のジャンルの世界から短歌カルチャーに触れたわけだ。
ただ、「自分にはそういうオシャレなカルチャーには向かん」という感もあり、すぐに詠み始めることは無かった。それでも詠もうと思った他の4つ位の理由はまたおいおい書いていくとして……。
短歌は世間的にはまだまだ「難解」「高尚」「敷居が高い」「老人の趣味」というイメージが強いのだろう。何を隠そう自分も最近までそうだった。けれどもそんな人にはぜひ、短歌投稿サイトなんかを覗いて、今時の口語短歌がどんな感じになっているのか、若手歌人がどんな作品を詠んでいるのかぜひ確かめてみてほしい。
私のおすすめは「うたらば」というサイトで、フリーペーパーとネットプリントに掲載する短歌を募っているのだが過去の作品もサイト上で読める。選考の目が入るので一定の水準が保たれており、常連投稿者の中には相当有名になった歌人さんもいる。現代短歌の中には、前衛的すぎてなかなか意味の分かりづらいものもあるが、ここの作品は初心者にもスッと分かりやすい作品が大半である。毎度のように作品の載る投稿者もいらっしゃるが、私はたま~に載せてもらっている。ちなみにこれまで載ったワタクシの作品がこれ。
横着な私の背中のブロックをこんなにきれいに積んだの誰だ
(テーマ「背」)
スリッパを指の親子が全力で身を投げ出して逃げるの阻止する
(テーマ「止」)
君想う我が静脈はどこまでも悲しみばかり流す運河だ
(テーマ「運」)
よく見ればそう安くないギザギザの黄色いPOPが騙そうとする
(テーマ「見」)
恵方巻もらい背骨を抜くように胡瓜を抜いてそしてかぶりつく
(テーマ「野菜」)
「え? こんなんでいいの? こんなんなら私も出来る」という人は、ぜひ短歌にチャレンジしてほしい。ちなみにワタクシ、このテーマやお題に合わせて作品を投稿する、というのが大好きだ。必死に考えて作って送って、そんでもって、後で他の人達の作品を見た時の「あー、こう来たかー!!」と思う時の驚き。これはなかなかの快楽である。
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