No.3 勇ましきレミィ
床を這い回る冬の寒さに情けなく震えながら廊下を行けば、変わりなく不機嫌そうな顔でこちらを睨み下げる女性像と出会う。恥じらいなど持たぬと言わんばかりの仁王立ちと全裸に布一枚を投げただけの曲線美。石膏を塗り込めた髪の下には、めらりめらりと炎を燃やす瞳がある。一段高い台座の上に君臨しているだけに、幾らか増して威圧感を覚えるのだろう
レミィなんて名前は似合わないから変えた方が良いよ、と交わしたのは生前の彼女だ。それに憤慨して椅子を大きく振りかぶってきたのもまた、生前の彼女。芸術品として在る今でさえ怒っているらしく、毎朝新聞を取りに降りる僕を無い声で怒鳴りつけている
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