帝都進撃三日目:現状把握

 煩いメンバーが一通り交代で寝静まった頃を見計らう。

 今見張りとして起きているのは静かに魔導書を読んでいるイリーナと、見張りらしきものを一応しているクリス。そしてセイルの3人だけだ。

 そのクリスもセイルが何をしているかはあまり興味がないようで、遠くを見つめるようにして見張りの真っ最中だ。

 今ならば大丈夫だろうと、セイルは全員の能力値を確認する。


セイル


レベル23/99

物理攻撃:1200(+1400)

物理防御:950(+310)

魔法防御:950(+110)


【装備】

・ヴァルブレイド(☆☆☆☆☆★★)(レベル19/70)

・王族の鎧(☆☆☆★★★★)(レベル10/50)


【アビリティ】

・王族のカリスマ

・ヴァルスラッシュ

・協力攻撃


王国剣兵アミル ☆☆☆★★★★


レベル23/50

物理攻撃:950(+520)

物理防御:600(+300)

魔法防御:160(+120)


【装備】

・聖剣ホーリーベル(☆☆☆★★★★)(レベル10/50)

・ミスリルの盾(☆☆★★★★★)(レベル10/30)

・ミスリルの鎧(☆☆★★★★★)(レベル10/30)


王国魔法兵イリーナ ☆☆★★★★★


レベル20/30

魔法攻撃:950(+255)

物理攻撃:0(+15)

物理防御:60(+74)

魔法防御:400(+260)


【装備】

・ミスリルの杖(☆☆★★★★★)(レベル10/30)

・カオスアイ(☆☆☆★★★★)(レベル10/50)

・防毒の護り(☆☆★★★★★)(レベル1【MAX】)


【アビリティ】

・毒確率減少(小)

・開眼


【魔力属性】

・闇


帝国海兵キース ☆★★★★★★


レベル9/20

物理攻撃:550(+130)

魔法攻撃:0(+20)

物理防御:150(+10)

魔法防御:50


【装備】

・ミスリルの斧(☆☆★★★★★)(レベル6/30)

・布の服(☆★★★★★★)


【アビリティ】

・水フィールドでの行動に補正(極小)


エクソシスト・クリス ☆★★★★★★

レベル3/20

魔法攻撃:110

物理防御:30

魔法防御:70


【装備】

・儀礼剣

・儀礼服


【アビリティ】

・聖域展開(極小)


【魔力属性】

・光


帝国将軍ゲオルグ ☆☆☆★★★★


レベル14/50

物理攻撃:1000(+140)

物理防御:740(+160)

魔法防御:100


【装備】

・鋼の斧(☆☆★★★★★)(レベル4/30)

・鋼の盾(☆☆★★★★★)(レベル2/30)

・鋼の鎧(☆☆★★★★★)(レベル3/30)


【アビリティ】

・メガスマッシュ



機闘士サーシャ ☆☆☆★★★★


レベル10/50

物理攻撃:680(+300)

物理防御:490(+70)

魔法防御:400(+30)


【アビリティ】

・攻性機甲(小)

・ライトニングアタック


「やはり……か」


 全員に今与えられる最高の武具を与えたが、資金が尽きてこれ以上は強化できない。

 しかしそれはまあ、仕方がない。

 仕方が無いが……こうして見ると、敵を多く倒したはずのセイルとゲオルグのレベルの伸びが悪い。

 これは単純にゲオルグが星3であり、セイルも星3~4相当と言われているせいだろう。

 素の星の高いユニット程レベルが上がりにくいのは、カオスディスティニーでの常識だった。


 そして、素の星が低いのにクリスのレベルの上りが鈍いのは……やはり、敵を倒せていないからだろう。

 こればかりはどうしようもない。

 元々戦闘向きのユニットではないし、武器も貧弱なままだ。

 それでもレベルが上がった理由があるとするならば、聖域展開を何度も繰り返したせいだろうか?


「……ふむ」


 不安はある。しかしゲオルグとサーシャの加入は大きい。

 どちらも攻撃力は非常に高く、サーシャは今後戦えば戦う程武装も合わせて強くなっていく資金要らずだ。

 不安があるとすればサーシャは通常の回復手段を受け付けない「機人」であるということだが……幸いにもリペアキットはそれなりの数を確保できている。

 今後の戦いの激しさにもよるが……一応、なんとかなるはずだ。

 一応戦いが激しくなればなる程、モンスター討伐による報酬がカオスゲートの中に積み重なる。

 1日1回無料ガチャも合わせれば、今までのリペアキットの出現率を考えるに再度補充できる確率も低くはない。


 ……とすると、やはり死霊術士が今後どう出てくるかが問題だ。

 死霊術士がこちらの動きをどの程度把握できているかどうかは不明だが、ある程度把握しているという前提で進めるべきだ。

 このまま嘗めきってくれればいいが……もし何かの気の迷いで本気で迎撃する気になったなら、激しい戦いになるだろう。

 それだけではない。この帝国の地に居ついているモンスター達の事もある。

 サーシャの加入と武具の強化によって、どれ程効果があるか……まだ、分からない。


「何やってるの、セイル?」

「サーシャ。寝てないのか」

「ボク、寝なくても平気だよ? ふつーの人間じゃないもん」


 そういえば機人だったな……と抱き着いてくるサーシャを放置しながらセイルは思い出す。


「なら、お前も見張りをするか?」

「セイルと一緒ならいいよ!」


 そんな事を言いながらべったりと離れないサーシャに「少し離れろ」と言いながらセイルはカオスゲートを仕舞おうとして、ふと視線に気付く。


「……どうした、イリーナ」

「なんでもないです」


 すぐにフイと視線を背けたイリーナから何度か痛い視線を感じながら……セイルは、なんとか見張りの時間をこなしていった。

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