第6話 力の在り方
力とは何か。普通の人は真剣に考える機会はそうそうないと思う。
僕は普通ではなかった。
特異体質による存在力の強化。
――『魂の吸収』だ。
普通、何かが死ぬと魂は天へと還る。
でも、僕が近くにいると胸の中に入ってくるんだ。
何か感触があるわけじゃない。
ただ、少しだけ満たされたような気がする。それだけ。
僕は昔から魂が見えた。初めは何なのか分からなかったけど、他の人には見えていないようだったから……内緒にしてた。
図書館で調べてみて、それが魂なのではないかと当たりをつけた。
魂は一人につき一つ、胸の中心にある。違いと言えば眩しさくらい。
僕の魂は元気がない方だと思う。他の人と比べても光が弱い。
だけど他の生き物の魂が入って来るたび、少しだけ輝きが増す。
それが申し訳なくて、どこか温かかった。
aruhino リフ @Thyreus_decorus
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。aruhino の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます