二章 『穏やかな煉獄』 ①
屋敷から最初のシェルターまでは直線距離にして約二十八キロ。道中で何らかのトラブルがなければ、最初に一番長い距離を消化する形になる。
この長距離さえ踏破出来れば、後はどうにでもなるだろう、という目測もあった。
「
「分かってるもん」
私達の屋敷から海とは逆方向に丘を見上げ、緩やかな傾斜を登る。
私達が行っていた散歩は、せいぜい屋敷から一キロ圏内。
歩き始めて一時間足らずで、私達は見知った庭の外へと足を踏み出していた。
周囲はどこも砂に呑まれて足場が悪い。歩く度に二センチほど、靴底が砂に沈み込んだ。
今の所、エリス様は懸命に歩いている。時速換算で約二キロの鈍行だが、足場の悪さを考えれば、ペースは決して遅くない。
歩調を此方で調整しつつ、休憩のタイミングを見計らいながら進んで行く。
屋敷は小高い丘の頂上付近に位置していた為、二キロを過ぎた辺りで突如、道は下りの傾斜へと変わり、砂丘を見上げるばかりだった視界が一気に開けた。
「……すごい」
港の景色しか目の当たりにする機会の無かったエリス様には、眼前に延々と広がる黄土色の大地は神秘的に映ったのかもしれない。尤も、大気に色濃く混じった砂の影響で数キロ先までしか見通す事は出来なかったが。
かつては、この場所からでも目指す巨大な山々が目視出来た筈なのだが、今は砂のベールの向こう側に息を潜めているようだ。
「行きましょう」
エリス様の力強い首肯と共に、歩みを再開する。
ここからは六キロに渡って下りの傾斜が続く。目の前に広がる広大な景色の解放感も手伝って、ペースが僅かに上がっていた。
歩く事、更に二時間強。私達は、廃墟と化した街に行き当たった。
「となると、ここが約七キロ地点ですね」
砂風に晒され続けた為か、建物の窓に嵌まっていたガラスは全て砕けて無くなっていた。建物の内部も吹き込んだ砂が堆積し、茶色の絨毯を作っている。
この街も、四年前の天変地異で大きなダメージを受けたのだろう。かつて高層ビルだった建物は中ほどから崩れ、人々が行き交っていた筈の大通りにその残骸を横たえている。風化も進んでいるらしく、街全体が
「それにしても、たった四年で……」
予想はしていたが、やはり街の中を抜けるのは危険だと即座に判断する。
「少し大回りになりますが、安全な街の外周を行きましょう」
「分かってるわ」
出来るだけ砂の浅い場所を選んで、街の外周を反時計回りに進み始める。
幸い、道路の一部は数センチの砂が積っているだけで、他の砂地と比べて足を取られにくく歩きやすい。迂回による加算距離は五キロ弱。
本格的に、野宿を考えなければならないかもしれない。
一時間ほど歩いた後、小休止を取るべく私は周囲を見回した。周囲の天候が安定しているとはいえ、何もない外に腰を下ろすわけにもいかない。
周囲は休むには心もとない、荒れた居住まいの建造物しか見当たらないが、贅沢を言っている余裕は無い。私はエリス様を安全な場所に待たせ、適当な廃屋へと足を踏み入れる。
扉や窓ガラスは砂嵐にやられたのか、綺麗さっぱり無くなっていた。
中に入ってようやく、そこが元々は金物店だったらしい事を知る。店内には砂が堆積していたが、所々に錆びたフライパンや食器等が見え隠れしていた。
「……ここは危険ね」
私は
辛うじて残っていた扉は、私が手をかけると力を無くした様にぱたりと外れてしまった。元は
私はしゃがみこみ、床に堆積した砂を手で
室内の安全確認が済んだ後、エリス様を手招きで呼び、店内奥の隅で昼食を兼ねた休憩を取る事にした。
「……今、どれぐらい?」
「まだ、五分の一ほどです」
気丈に振る舞ってはいるが、やはり疲労の色は既に見え始めている。
普段は週に二回、一時間の散歩をする程度の運動しかしないので当然だ。
出来る事なら、私が彼女を負ぶって行きたいとさえ思う。
昼食は、乾パンと水筒に詰めたろ過水だけ。しかも水筒を使う際は、出来る限り空気中の砂が入らない様に布袋で覆いながら口を付けなければならない。
私は風よけになる方角を選んで立ち、ローブで彼女を覆う。
「この水、なんだか苦い……」
「長持ちするように、防腐剤を入れなければならなかったので。申し訳ありませんが、我慢してください」
エリスはコクリと頷いて水筒の水を
乾パンの咀嚼が終わった頃を見計らい、トローチ型のビタミン剤を彼女の口に含ませる。
空腹を満たし栄養を補給する為だけの、貧相で味気ない食事。
しかし、彼女が不満を零したり、嫌な表情をする事は無かった。
「頑張らなくちゃ」
食事を済ませ、エリス様は布に包まれたテディーベアをぎゅっと抱きしめた。
「そうですね、絶対に辿りつきましょう」
大きく頷きあってから廃屋を出て、再び街を視界の左に置きつつ歩き始める。気掛かりな天候は、今の所は穏やかで崩れる気配は無い。
追い風になる進路を取っているので、風向きが急激に変わりでもしない限り、歩み続けていれば嵐に遭遇する心配はなさそうだ。
それから更に二時間。二度の水分補給とトイレの休憩を挟んで、ようやく元の進路である街の外れへと辿りつく。
時刻は午後四時に差し掛かる所だったが、泥雲が延々と広がる空は早くも薄暗く濁り始めていた。あと二時間もすれば、周囲は完全な闇に包まれる事だろう。明かりを灯さない限り、ほぼ視界はゼロになる。
「ここまでで、全行程の五分の二より少し進んだぐらいです。ここからは、四キロ近く砂の荒野が続いていると思います」
「う、うん」
「ですから、今日はこの辺りで野宿にしようと思いますが、よろしいですか?」
歩き続けた事で、エリス様の体力が限界に近い事は分かっていた。彼女はまだ頑張る気でいる様子だが、無理を続ければ今後の進行に支障が出る。
「でも、まだ半分なんだよね?」
「いいんです。予定より早くここまで来れましたから」
一つ、嘘を付く。事前に行程を説明しなかったのは正解だった。
「今日は、もう休みましょう。夜に動くのは危険ですし」
「……うん」
エリス様は小さく頷いて応じ、私は即座に風よけになりそうな建物を探す。
暗くなってからではテントを立てるのも一苦労だ。周囲が暗闇に包まれる前に、設営を完了させたいという意図があった。
手早く空き家を見繕って中に足を踏み入れ、散乱した物をどけて場所を作る。続いてリュックから小さなテント一式を取り出し、手早く組み立てた。室内なので固定の
組立てが終わった後、エリス様を招き入れる。彼女はこの早技に驚きの表情を浮かべたが、特に何を言うでもなくテントの中へと潜り込んだ。
「居心地が悪いかもしれませんが、我慢してください」
「わかってる。ジュゼは中に入らないの?」
「私は外で大丈夫です。私が入ると、狭くなってしまいますし」
「そんな事無いよ……」
「エリス様は明日に備えて、ゆっくり休んでください。明日も予定通りチェックポイントへ到達できるように」
半ば彼女の好意を遮る様に、早口で説明する。
彼女は最後には折れて、「傍に居てね?」と呟く。
私は大きく頷いて、「私はずっと傍に居ますよ」とテントの中へ語りかけた。
エリス様に寄り添って夜を過ごすのは何年振りだろう。
私は大切に仕舞い込んだ記憶の箱を開く。
そう、最後に彼女のベッドに寄り添ったのは世界の終焉が始まったあの日。
「……お父さん達、きっと大丈夫だよね?」
「ええ。こんな立派なシェルターを作られたんですから、大丈夫に決まってます」
「うん。きっと、今も沢山の人を救ってるんだよね」
「きっと。いいえ、絶対にそうです」
私も、そうして救われたのだから。
「早く、帰ってくれるといいなぁ……」
平時も研究に忙しく、中々屋敷に帰ってくる事が無かったエリス様の両親。
それでも、エリス様が弱音を吐く事は殆ど無かった。しかしこの時ばかりは違った。
外には今まで見た事のない様などす黒い暗雲が立ち込め、それすら見る事が困難なほど土砂降りの雨が引っ切り無しに窓を叩く。
まるで、安全な場所に籠る私達を攻め立てるように、追い詰めるように。
粘着質に室内に籠る轟々とした音には、耳がおかしくなりそうだった。
「エリス様、窓の近くに居ては……」
「いいの。パパ達が帰ってくるのを見逃しちゃう」
帰ってくる筈が無い。そう告げる事は出来なかった。
何時止むとも知れない崩壊の序曲が始まってから三日。
エリス様は未だ涙を見せていない。
私がもしもここで――例えそれが事実であろうと現実を突きつけてしまえば、彼女の心は折れて、弱ってしまうに違いない。
「いいの、解かってるから。今は、私のしたいようにさせて」
「エリス様……
「ありがとう、ジュゼ」
エリス様が気を張っているのは分かっていた。
だから、私はその意志を尊重しなければならない。
「お身体に障りますので、ほどほどに」
「うん。お父さん達が帰って来た時に、私がしっかりしてなきゃ駄目だもんね!」
事実を受け止め、彼女が涙を見せるその時には、私が寄り添って抱きしめようと決めた。
それがどれほどの慰めになるかは分からないが、私にはそれしか出来ないから。
翌朝。鋭い風が廃屋内に吹き込んだのとほぼ同時にエリス様が起床した。
時刻は六時を回ったばかりで、辺りはまだ暗闇に包まれている。
「起きてしまいましたか?」
「うん、でも十分眠れたから、大丈夫」
テントの中から、もぞもぞとゴーグルとマスクをつけ直す音が漏れ響いた。手伝いたいのは山々だが、この状況でテントを開く事は許されない。
空気の状態はマシとはいえ、細かな砂塵は常に宙に舞っている。吸い込み過ぎれば、気管支と肺がやられてしまうだろう。そうなればアレルギーで真っ先に喉が荒れ、咳が止まらなくなる。下手をすれば高熱にうなされ、歩くどころでは無くなってしまうのだ。
私のミスで、エリス様の体調を崩させる訳には行かない。本当ならば、食事の際にもテントを用意したいくらいだ。
エリス様にはテントの中で朝食を取って貰い、この間に私も支度を整える。
朝食を終えた彼女が這い出た後、素早くテントを片付けた。砂を
出発の準備が整う頃には空が明るみ始め、風は乾いた色合いを増していた。天候が崩れる予兆としては弱いが、この乾きが酷くなれば砂嵐がやってくる。それまでに一つ目のシェルターへと辿りつかなければならない。
「行きましょう」
荒廃した街を背に、険しい一歩を踏み出す。
「ここからはしばらく、舗装の行き届いていない悪路を歩む事になります」
「うん」
前日の疲れが完全に無くなる筈もなく、足取りは重く鈍い。気付けば、一時間に一キロも進めれば良いほどにペースが落ち込んでいた。
焦りにも似た感覚に、エリス様へ何度も何度も視線を向けてしまう。
「大丈夫、だから」
彼女は敏感に私の心配を察知し、肩で息をしながらもゴーグルの奥の瞳を細めて、険しい笑みを作って見せた。
その健気な姿を見て、私が過度に気を遣う事で、逆にエリス様を追い込んでしまっていた事に気付く。
――私が、信じて差し上げなければ。
己の過ちを悔い、ひと際強く一歩を踏み出して背後に従うエリス様の脚場を固める。
荒れ果てた砂の荒野は草木一つ見えず、砂丘が延々と続いているかのような錯覚を受ける。また、沿岸部と比べて湿度は徐々に減り始めているらしく、カラカラと肌を刺すような、それでいて生ぬるい空気が降り注いでいた。気まぐれに吹く風で舞い上がる砂塵の量も増え始め、遂には一歩を踏み出す度に砂煙が立ち昇るまでになっていた。
「エリス様、休憩を取りましょう」
「いいの、まだ歩ける……から」
「しかし、小まめに水分を取らないと」
持参した水は二リットルの水筒三つ分。既に一本目がほぼ空になっていた。
以降の道のりを考えると消費ペースが速すぎるが、消費を惜しめば脱水で行き倒れる可能性もある。私は有無を言わせず、二本目の水筒を開けて水分補給の休憩を取った。
水筒が空けばその分、私の荷物の重量は減る。そうして減った重量の分は、エリス様の荷物を代わりに引き受ける事も出来る。
――なるべく、エリス様の負担を少なく。
その一念があれば多少の無理も通る。私が逆に心配される様な事があってはいけない。
短い休憩を終えて、再び前を向く。
一つの目の目的地は、砂煙の奥に聳える山々の麓の小さな街、その中ほどに位置している筈だった。そこにシェルターが作られた理由は、地盤が強く地割れの心配が無かった為らしい。風の通り道からも少し外れているので、シェルターが砂に埋まる可能性も低い。
稼働中を知らせるシグナルも確認できている。
ローブの間に手を入れて、発信源を追う為の端末を取り出す。
「このまま、真っすぐ進めば辿りつく筈です」
「あと、どのくらい?」
「……上手くすれば、日が暮れる前には到着できる筈です」
無論、その為には少しペースを上げる必要がある。しかし、周囲は相変わらずの悪視界。
街だけでも目視出来れば気分も違うのだろうが、生憎にも砂ベールは私達の行く手を固く閉ざしている。
黙々と歩く事、二時間余り。何かの残骸か、高さ三メートル、横幅六メートルはあろうかという巨大な急傾斜の砂山に行き当たった。
片側は傾斜がきつく、反対側に出ると風を殆ど感じなくなる。私は好都合だとエリス様に昼食の進言をしてその場に座らせ、彼女を傾斜との間に挟む形で立つ事で風を出来る限り遮った。
彼女は少し窮屈そうにしながら、遅めの昼食をゆっくりと咀嚼した。
三十分ほどの休息を取った後、進路を確認して再び歩き出す。現在の時刻はおよそ二時。
およそ三時間で日が暮れるが、それまでに到着するのは絶望的と言えた。
しかし、ここに来てようやく茶一色だった視界が開け、街の姿を肉眼で捉える事が出来るようになった。
「あれって……」
「はい。ようやく街が見えてきましたね」
「うん、頑張ろう!」
目的地が見えた事で、歩く速さも僅かに増した。逸る気持ちを押さえつつ、歩くペースを調整しながら、ひたすらに前へ向かって足を動かし続ける。
そうして空がうっすらと暗い色に染まる頃には、街は目と鼻の先にまで迫っていた。
「シェルターは、近くなんだよね?」
「はい。街の中にある筈です」
ここまで来れば、立ち止まっている暇は無い。
この街はシェルター建設都市に制定されただけの事はあり、背の高い建物も倒壊せず、砂嵐に耐えて残っていた。街中を横断するのに一抹の不安は残ったが、昨日の様に外周をまわる訳にも行かない。エリス様に注意を促しつつ、出来る限り建物に近寄らず、砂で無残に削られた道路の中心を選んで街へと踏み込んだ。
――
途端、建物の谷間が生む突風の洗礼を受け、二人してバランスを崩しかける。
「ジュゼ、大丈夫?」
「はい、すみません。エリス様は?」
「うん、ジュゼが守ってくれたから大丈夫」
「……慎重に進みましょう」
いけない。街に入った事で警戒が緩みかけていた。今の突風は、それを警告しくれたに違いないと都合よく解釈し、エリス様と手を繋いで、慎重に街の奥へと突き進む。
六階建ての建物が、道路の脇に
「近くで見ると、大きいね」
「そうですね」
決して高層とは言えない建物だが、港街に広がる背の低い家屋を見慣れた私達にとって、圧倒されるのに十分な光景だった。
「他の街を見るのは久しぶり……。ここも昔は、人がたくさんいたのかな?」
「恐らく。きっと、夜にはネオンが瞬いて綺麗だったんでしょうね」
「そうなのかな。見てみたかったなー」
街に辿りついたという心の余裕が、私達に久々の会話を齎してくれた。
日は暮れて、周辺は闇に限りなく近くなっていた。私はリュックからケミカルライトを取り出して二つに折り、周囲を照らしつつ、僅かな視界と風の流れを頼りに街を進む。
そうして街に入ってから、約三時間。
「……あった」
ようやく、シェルターの入口を発見する。そこにある事を信じて疑わなかった筈なのに、知らずとシェルターが存在した事に対する安堵が零れていた。
シェルターは都市のほぼ中心に位置する大きな公園の一角で、地下へと繋がるのっぺりとした卵型の入口を晒していた。元は緑あふれる公園だったのだろうが、今は草木が枯れ果てて荒れ地と化している。
シェルター入口はロケットの弾頭の様なクリーム色をした流線形で、周囲に砂を堆積させながらもどっしりと居座っている。それはまるで、周囲の砂が大きな卵を支えている姿にも見えた。
「よかった。電器系統はしっかりと生きているみたいですね」
扉脇の非常灯が点灯しているを見て、私は再び安堵の息を漏らす。
このシェルターは間違いなく、機能している。
「誰か、誰かいませんか?」
私は大声で叫びつつ、シェルターの戸を強く叩く。もっとも、それで中に聞える可能性は低い。あらゆる災害を想定して、扉は特に厳重に作られている。故に、私が叩いた程度で中に音が伝わるとは端から期待していない。
私は早々に呼びかけを打ち切って入口付近の壁に慎重に手を這わせ、小さな出っ張りを手袋越しに探し当てた。周囲にこびり付いた砂を丁寧にそぎ落とし、指先を引っかけて蓋を開く。
中からは、小さな液晶画面と入力パネルが現れた。私は操作手順を間違わない様に、ゆっくりと緊急避難時用の暗証コードを打ちこんだ。入力から数秒、沈黙していた液晶画面にうっすらと光が灯り、『シェルター稼働中の為、責任者を呼び出しています』という文字が流れた。
そうして待つ事、五分余り。
突如、画面が切り替わったかと思うと、痩せた初老の男が画面に映し出された。映像を見るに、どうやらシェルター内部の様子らしい。彼はカメラから視線を一旦外し、己の手元を操作したか思うと、モニター下部に文字が並んだ。
『避難者ですか?』
どうやら、此方の様子は見られているらしい。私が周囲を見回すと、入口上部にカメラアイの丸い突起が発見出来た。尤も、丸いガラス面は砂で曇りガラス状に削られている。これでは、ぼんやりとしか分からないに違いない。
私は端末に向き直り、『はい』と入力する。そしてすかさず、『一時的に入れて頂けないでしょうか?』と打ち込んだ。画面の向こうの男は逡巡する素振りを見せ、カメラの脇へと視線を向ける。画面の外にも何人か居るらしい。
彼らの協議は数分間に及び、唐突に画面の方へと視線が戻された。
『分かりました、今扉を開けます』
待ち望んでいた返答に、私とエリス様は顔を綻ばせて互いに手を握り合わせた。
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