終極

第15話

 キュレイス山の廃坑入口から緩やかな山道を下り、しばらく歩いた斜面に、陽当たりの良い広い野原がある。

 空から煌々と降り注ぐ輪彩リザネの陽射しは強く、地面にはちらほらと彩りを為す植物が青々と茂っている。


 そこに目を惹く色の野草が一種。


 葉は扇のように幅が広く艶やかで、伸びる細い茎の先端に、いくつか膨らみ、今にも咲こうとする捻れた蕾の群。


 そして、一輪先に開いた六枚の花弁は、黄赤色に紅色の斑点を散らしていた。

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