case.10 お好みの女子を

「アイス食べよっか?」

 冬なのにそんなことを言い出した。一つずつ違う味のアイスを手に並んでベンチに腰掛ける。

「一口ちょうだい? 一口あげるから。ほら、あーん」

 俺の口に掬ったアイスを半ば強引に近づけて食べさせ、自分にもやれと口を開けてくる。同じように君にもアイスを食べさせる。おいしいね、と笑う君の横顔を見つめる。

 アイスを食べ終わると、君は座る俺の正面に立ち、ゆっくりと頭を包み込むように腕を回す。

「ねえ、無理しなくていいんだよ。私には弱いところ見せてもいいんだからね」

 その声は温かく包むようで、君の優しさに僕はいつも癒され、力の源で――。

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美少女を描写してみた(恋愛風味) たれねこ @tareneko

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