case.9 美人
「ねえ、私の服に汚れとかタグ付いてない?」
君は僕の前で突然くるりと回転してみせる。細長い手足はそれだけで映える。そして、ワンテンポ遅れてなびく髪の毛は太陽の光を柔らかく反射する。ここにだけスポットライトに照らされたステージモデルがいるようだった。
君がそう言い出したのは、すれ違う人が君に見惚れて、振り返ったりしたからだろう。
「大丈夫。何も問題ないよ」
「ほ、ほんと?」
「うん。今日もとても綺麗だ」
君は照れたようにはにかんだ後、
「それは隣にいつも君がいるからだよ」
と、僕の心を掴んで止まない、誰もを虜にするような笑顔を向ける。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます