case.8 アホの子

「テストどうしよう。助けてぇ……」

 明日の私がなんとかするとテスト週間に入ってからも勉強する俺の横で遊んでいた幼馴染。それがテスト前日になりとうとう焦りだした。

「あのなぁ……」

「私、赤点取りたくない。一緒に卒業したいもん」

 そう言われては仕方ないと、ノートを見せてやり、問題を解き始め唸り始めた。

「なあ、夕飯食べていくか?」

「うん」

「飴食う?」

「うん」

 こいつ適当に生返事してやがる。

「なあ、俺のこと好き?」

「うん」

「じゃあ、付き合う?」

「うん。……うん?」

 丸くした目をこちらに向けてくる。

「だから、付き合う?」

「うん!」

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