case.7 臆病

「うえぇ……」

 君はそうやっていつも誰かの後ろにいる。それが女子の間ではペットのように可愛がられ人気がある。

 君は先生に当てられるだけで体をビクつかせ、男子の突然の大声にも顔を青くする。

 それは恋人である僕に対しても同じで――肩が当たるだけでビクッと反応し、目を合わせようとすれば逸らされる。手を触れることだって――。

「俺ももしかして避けられてる?」

「ち、違うよ! 君といると胸がドキドキして、上手く顔見たりとかできないだけなの」

 君は告白してきた時と同じように静かに服の裾を掴み、潤んだ瞳で見上げる。その時折見せる真っ直ぐな瞳に僕は恋をしている。

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