おしぼり

桜船 みかん

おしぼり

私は、一つの悲しみをかかえて、レストランに出かけた。

「いらっしゃい」

コジャレたカフェだ。

「おしぼりをどうぞ。」

おしぼりは、二つおかれた。

えっ…

「どうしておしぼりを?」

「失礼しました。けど、お隣のかたが、あまりにもいきいきしていたもので…。」

「隣のかた?」

私が、そうきくと

「なんでもありません」

と言って、さっていった。

どういうことか…。となりをみても、誰もいない。私はもう一度、その店員にきいた。すると、「ちょっと待ってください」といって、控え室に、いってしまった。そして、10分後

「遅くなりました。突然ですが、最近身の回りで、事故がありませんでしたか?彼氏さんとか…」

「ありました。彼氏が、誰かに車でひかれてしまって…。」

そう。私はつい最近彼氏をなくした。結婚すると約束したその日。

「私のせいで、死んでしまったんです。」

「どうしてですか?」

「私が、車に突っ込んだんです。結婚の約束をして…まいあがっちゃって…彼氏はきっと…私を恨んでます。まい上ったのは私なのに、私を守って死んで。」

私の感情は、あばれだす。

「いっそのこと、私が、死んだ方が、良かったのではないか…」

「そんなこと言っちゃダメです。もしあなたを恨んでいたら、今隣でニコニコしながら座ってないですよ…。」

「えっ!?」

「彼氏さんでしょう…。今あなたが、自分が死ねばっていってたとき、全力で首をふっていましたよ。そして、"僕のぶんまで生きてくれ"っていってましたよ。」

「ほんとですか…私は…何てバカなことを…」

私は、さいていなことをおもった。涙が出てくる。

私は、隣を見て…

「ありがとう。護ってくれて…助けてくれて。私は、頑張ってあなたのぶんまでいきるよ。」

私は、自分に言い聞かせながら、いった。

「"うん"だそうですよ!」

「ありがとうございました。このおしぼり、もらっていいですか?」

そうきくと、

「いいですよ。」

と、許可をもらった。

「今日はありがとうございました。」

☆☆☆

食べものやで、ふと思い付いたものです。

みてくれてありがとうございました。

あの店の店員さんは、

「いつでも大歓迎!!」と言っていました。

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