第121話 泥棒
バイト先のラブホに泥棒が入った。
シフトは私一人、追いかければホテルは無人になってしまう。
私は少し迷ったが、後を追った。
外に出ると大雪、足元が悪く上手く走れない。
泥棒は素早く角を曲がって走り去った。
除雪作業中の作業員に走り去った男の事を聞く、東洋系の外国人が答える。
あっちに走って行った。
道路作業員の作業服を着て、オレンジの蛍光ベストを身に付けている。
目立つはずだ。
私は人に尋ねながら雪道を走る。
同じような作業服を着ている集団に出くわした。
私と目が合うと走り去る男。
あの男だ。
私は追うことはせず、走り去った男の事を尋ねる。
派遣社員で今日の作業の為に集められた1人だと知る。
誰かが男の身分証を差し出した。
私は身分証を受け取り、ホテルへ戻る。
幸いホテルには客はいない。
警察に電話して身分証を渡す。
これで安心だ…。
ホテルを留守にして良かったのか?
そもそも何を盗まれたのだ?
渡した身分証は、本当に男のものなのだろうか?
様々な不安が込み上げる。
私は正しいことをしたのだろうか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます