第99話 雪の朝
雪が降り出した。
雪はあっという間に降り積もり、景色を白く染めた。
(靴を買わなければ…)
そう思い、外に出ようとした。
玄関から外を見ると、突然の大雪で皆、除雪作業をしている。
年老いた両親もヨボヨボと雪を押している。
私は、近所の輪の中に入れないまま、玄関で立ち尽くす。
そんな自分がとても惨めに思える。
皆は冬着を着ているのに、私はアロハシャツを着ていた、足元もサンダル…。
自分は何をしているのだろう?
私だけが普通の生活をしていないのだと惨めで恥ずかしく、それでいて、着替えることもできず、ただただ、皆の除雪を眺めているだけ、気づけば、玄関に壁のように、スノーダンプやスコップが壁のように積み上げられていく…。
それは、私を拒むようで、隔離するようで、あるいは見たくないものを隠すようにも思えた。
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