第94話 階段
誰だか知らないが、有名なスポーツ選手と会うことになった。
ボクサーだかなんだか、格闘技の選手らしい。
私は自分の車で、家まで迎えに行った。
出てきたのは、ブラウンのドレスシャツを着た、背の高い男、30代半ばくらいに思えた。
私の記憶に彼の事は無いが、向こうは私を知っているようだ。
親しげに話しかけてくる。
場所を変えて彼のインタビューをすることになっていたようで、タクシーに乗せられた。
運転手も彼の事を知っていて、やたらと話しかけていた。
なぜか私のバイト先のラブホテルに連れて行かれた。
私は彼を入口で見失った。
仕方なく事務所へ行って、最後に入室状態になった部屋を聞いて、そこへ向かう。
よく考えれば事務所いた4人は知らない人だったように思えた。
私は203号室の呼び鈴を押した。
一応、部屋間違いだと困るので、壁の隅から覗き見ていた。
部屋から顔を出したのは知らない男、男は私の方へやってきて軽く私を蹴った。
私は持っていたカバンで男の顔を殴ると、裏に来いとばかりに従業員出入り口へ歩いていった。
扉を開けると広い階段の踊り場、広い折り返し階段を鏡写しに並べた広い階段。
男の姿はすでになく、デリヘル嬢が行き来している。
急いでいるのか、誰も私のことなど視界にも入っていないように上がったり下りたり…。
私は階段を降りる。
皆は登り、目当ての階の扉から部屋へ向かう。
2階にいたはずなのに、どこまでも階段を下り続ける。
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