第81話 飲み会

 居酒屋だろうか、会社の人達と飲み会をしていたようだ。

 会社といっても、参加している面々は様々で、過去に務めた会社の人達が、かなりの人数で参加していた。

 私の斜め前に、あまり好きではなかった先輩が酒を誰かに注いだり、注がれたりしている。

 久しぶりに会ったので、私も注ぐくらいはとタイミングを計るのだが、なかなか上手く近づけない。

 それでもと、声を掛けたりしてみるのだが、コチラを向いてくれない。

 気付けば、私に注がれることを避けているようだった。


 あまりいい関係でも無かったしいいかと、諦めて、誰かに話しかけようとするが、皆、私に背を向け、声を掛けてもコチラを振りかえらない。


 こんなに大勢の人間と関わっていながら、私は誰とも親しい関係にはならなかったのだ。


 私は独り、座敷の中央で、喧騒の中、下を向いているだけだった。


 自業自得…。

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