第56話 注文
友人と2人でラーメン屋に来ていた。
平日の昼間、皆働いている時間、私と友人は無職だった。
国道沿いのラーメン屋に入ると、スーツ姿のサラリーマンや作業着姿の男達で、ほぼ満席であった。
私と友人は、各々、開いてるカウンター席へ座った。
友人とは5人ほど離れた席になった。
何を頼んだか覚えてないが、しばらく座っているとラーメンが目の前に出された。
食べ終わり、席を立とうとすると、すぐに別のラーメンが出された。
2杯頼んだのかと思いながら食べる。
私が友人の方を見ると、彼の姿は無かった、先に食べ終えて車に戻ったのだろうと思い、急いで食べる。
店内は混み始めて、後ろにズラッと待っている人が並び、早く席を開けろという空気が店内に漂っている。
店主は忙しそうに動き回り、私の前に、たこ焼きやらアイスやらと、絶え間なく食べ物が並ぶ、隣を見ると、他の客の前には食べ物が無い。
どうやら私の注文が多すぎて、他の客に回せないようだ。
店内の全員の視線が私に注がれる。
窓の外を見ると私を待っている友人の車が駐車場を出ていくところだ。
もういいのに…なんでこんなに頼んだのだろう…ただただ後悔しながら食べ続ける。
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