第57話 氷柱
浅く水の張った建物の中にいた。
タンクのようなモノを担ぎ、建物内を歩く、何人か同じような目的で来ているのだろう、中央にポツリ、ポツリと人が集められている。
年齢は比較的高そうな男女、誰かが私に「オマエは5人頼む」と声を掛ける。
私は5人を連れて、建物の奥へ進む。
どこがいいだろう…沈んでも大丈夫なところを探さなければならない。
大きな隙間、暖炉のような窪みがあった。
ここなら沈んでも、潰されもしないだろう。
私は背中に担いだタンクから伸びるホースの先端を連れてきた人に向けてガスを噴射する。
彼らはお礼を言いながら、氷の柱へ変わっていく。
私は四角い柱へ変わった5人を窪みに押し込む。
これで大丈夫だろう。
5千年後…此処がどうなっているのか知らないが…。
私はそう思いながら、建物を後にした。
外は水に沈んだ街が広がっていた。
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