第8夜 線香花火

 季節外れの海岸にいた。

 夜の海岸、砂浜では浜茶屋の中で知り合いらしき人達が騒いでいる。

 とても楽しそうだ。

「一緒に食べようよ」

 見知らぬ誰かが私を誘う。

 私は首を横に振って砂浜から海を見ている。


 しゃがみこむと、手に線香花火を持っていた。

 私は独り、砂浜で線香花火に火をつけようとしている。

 うまくつかない、ライターもマッチも火がつかない。

 何度やっても火はつかない。


 浜茶屋にいる知り合いらしき人達に何か借りようとするけれど、誰も私に気付かない。

 仕方がないので線香花火を持ったまま砂浜に座って海を見て考えている。


 なんで私はココにいるのだろう?

 あの人達は誰なんだろう?


 少し肌寒い夜の海の夢。

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