第2夜 幼心
私は心を壊してしまったようだ。
振る舞いは子供のように無邪気にはしゃぎ、怯え、笑っていた。
壁に耳をあて、向こう側を知ろうとノックする。
耳に跳ねかえる音に喜び、ソレを幾度も繰り返していた。
家を訪ねてくる親戚たちに無邪気な笑顔で笑いかける。
私はなぜ、こんなことになっているのか…さっぱり解らない。
気が触れたフリをしているのか…本当に心を壊しているのか…。
部屋を想うままに走り、誰かに話かけれられれば笑い頷く。
外で雪で遊び、冷たいと泣く。
幼児のような振る舞いを見せながら、私は考えている。
(私はどうしたというのだ…なぜ、こんな振る舞いをしているのだ…)
それはとても楽で、ずっとそうしていたくなるほど心地よい、それでいて心のどこかで冷静な私がいる。
(なにをしているのだ…こんなことをしている場合じゃないのに…)
途端に不安が襲い…白い世界が壊れていくような感じで目が覚めた。
思えば、夢に出てきた親戚達は皆、故人ばかりだった。
彼らは夢の私と同じようにヘラヘラと笑っていた。
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