スーパーボンバーマン2
ロックマンXが我々兄弟の所持する唯一のソフトであった時代は長く続いたが、ある時そこに彗星のごとくもう一本のソフトが現れた(現れた経緯はもう忘れたが、誕生日かクリスマス、もしくは庭から原油が湧き出たのであろう)。それがスーパーボンバーマン2である。
あくまでも一人プレイ用だったロックマンXとは違い、ボンバーマンは多人数プレイに適していた。一人プレイモードもあったし面白かったのだが(特に三面のジャンプするところがお気に入りだった)、やはり兄弟や友だちとお互いを爆破する楽しさとは比べ物にならない。
ボンバーマンをプレイしたことがない人(存在するのか? と思うむきもあるかもしれないが、世の中には様々な人がいるものです。例えばゼロ歳のときから無人島で十五年間過ごしていたなど)向けにボンバーマンのルールを説明すると、まずプレイヤーはおのおの一人のボンバーマンを操作する。このボンバーマンは爆弾を産み出すことができる。爆弾はブロック、ないし他のプレイヤーの操作するボンバーマンを爆破することができる。自分以外のボンバーマンをすべて爆殺すれば勝利となる。簡単でしょう。
この簡単さと爆弾が小学生の心をひきつけた。友だちが家に来たときは必ずボンバーマンで対戦した。四つのコントローラーを差せるようにできる部品や、機械が連射してくれるコントローラーがあることを知ったのもこのときである。我が家にこれは存在していなかった。スーファミに富んだ友だちが持参したのである。私はこの時子供心に格差というものの存在を知った。
対戦のステージは十種類の中から選べるようになっていたのだが、私のお気に入りは十番のステージだった。ここは他のステージと違い、ボンバーマンがジャンプできる。ジャンプしたボンバーマンはブロックをぴょんぴょんと飛んでいき、他のボンバーマンの存在する場所に行くことができる。他のステージだと、序盤に自分の周囲のブロックを爆破しブロックから出てくるアイテムを集めて準備、中盤に様子を見つつ他のボンバーマンと接触、終盤で激しい戦闘が繰り広げられるというのがお決まりの流れなのだが、十番のステージだとこの定石が通用しない。それに、他のステージだと他のボンバーマンをブロックと爆弾の間に押し込めばそれで爆殺が成立するのだが、十番のステージでは相手もジャンプができるので通常の方法が適用できない。そのため火力でゴリ押しや、スライム爆弾(投げると跳ねる)をひたすら投げに投げまくる、ドクロアイテム(取ると爆弾をひたすら垂れ流すなどの諸症状が出てたいてい死ぬ)を押し付け合うなどの無法地帯と化すのだった。そもそもお互いを爆殺しあっている時点で無法地帯だという意見もあるかも知れないが、第二次世界大戦と第三次世界大戦くらいの違いがここにはある。
ボンバーマンはひたすらに楽しいゲームだった。ミニスーファミに入っていないのが残念でならない。入っていたらきっと夜毎に爆破を楽しんでいたことだろうなあ。
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