夜空君、謎のメッセージはちょっと……
そんな感じで、昼休みが終わって、あっという間に午後の授業が始まる。
面倒くさいと思いながら授業を受けていると、いつの間にか授業が終わって放課後になっていた。
恵果ちゃんと話しながら帰りの用意をしていると、夜空君から一件のメッセージが来る。
「ん?どうしたんだろ。何かあったのかな?」
「あ!もしかして、浮気するから今日は一緒に帰れない的な?」
「いや、そもそも付き合ってないからね?」
そう軽く言い合いながらメッセージを画面に表示させる。
そこに表示されていたのは、『最悪だ……』という一言だけ。
「いや、意味わからないんだけど!夜空君!」
「……何かあったのかな?」
わたしのスマホの画面をのぞき込みながら、恵果ちゃんはそんなことを呟く。
「何かあったんだとは思うけど……こんな内容がよくわからないメッセージ送られたことなかったもんなぁ……」
「ああ、確かにあの子はしっかりしてそう。誰かに愚痴りたくなるくらい嫌なことでもあったんじゃない?」
「そうなのかなぁ?SOS要請とかだったりしないよね?」
「大丈夫じゃない?千雪は心配しすぎだよ。だってさ、あの深星くんができないことがあると思う?」
「……銃を突きつけられる?」
「あの人なら躱して反撃ぐらいできそうじゃない?」
いや、それは人間として無理……なはずなんだけど、夜空君なら躱しちゃいそうで怖い。
「……夜空君って人間?」
「さあ?今更じゃない?私はあんまり話したことないけど。」
「そうだよね…………っていうか、あれから連絡がこないんだけど。どうしたらいいと思う?」
「心配して話を聞いてあげたらいいんじゃないかな?少なくとも、僕は今そうして欲しい気分だけど。」
「そっか、そうだよね。嫌なことがあったら、誰かに話を聞いてもらいた……え?」
明らかに恵果の声じゃなかったことに気が付いて振り返ると、そこにいたのは、今の今話題にしていた人物、夜空君だった!
「ふえっ!!!?」
わたしは思わず椅子から転げ落ちそうになるけど、夜空君に支えられて何とかセーフ。
「ちょ!いつからいたの!?」
「『夜空君って人間?』のあたりから。」
「いるなら早く言ってよ!!」
ほんっとに心臓が止まるかと思った……
「というか、あのメッセージは何!?すっごく心配したんだけど!!」
「ああ、あれね。実は文化祭で……」
「え!?まさか、一緒に回れないとか!!?」
「いや、二時間は千雪と休憩時間が被るようにできたから、それに関しては問題ないんだけど……ね。模擬店の内容がちょっと…………」
「え?夜空君が最悪って言うような内容なの?」
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