夜空君、もう終わってるの?




夜空君が心配でリビングで勉強をする振りしながら、夜空君がお風呂から上がるのを待っていると、夜空君がお風呂から上がってきた。

だいぶ調子は戻ったみたい。


「夜空君、本当に大丈夫?」

「そもそも大したことじゃなかったんで、もう大丈夫ですよ。心配かけてすいません。」

「いや、大丈夫ならいいんだけど………ほら、夜空君って、いっつもしっかりしてるから、うなされたりとかしてると、凄い具合悪いんじゃないかって思っちゃうんだよね。」


わたしにくらいはもう少し弱いところを見せてくれてもいいのにと思ってしまうのは傲慢なのかなぁ………


「まあ、とにかくもう大丈夫なので、ほんと安心してください。それより先輩、ここからだと、課題のプリント空欄ばっかりですけど、大丈夫ですか?」

「いや、駄目そう。」


これは全力で解いたけど、駄目だったんだよね。

夜空君が好きになってからは、授業中も夜空君のことを考えちゃって集中できないせいで、勉強についていけなくなっちゃったし………


「じゃあ、僕が教えましょうか?」

「え!?二年生の勉強も分かるの?」


わたしそこも負けてるの!?


「ええ、大体は。」

「やっぱり夜空君すごいね!この前のテストも一位だったんでしょ?」


本当にハイスペックだなぁ……


「まあ、そうですね。失礼しますよ。」


そう言いながら夜空君はわたしの隣に座ってくる。

近い!!何!?すごいいい匂いする!!

緊張するし、嬉しいし、もう何が何だか!!


「先輩、まずは公式から勉強しましょう。」


お願いします。夜空先生。












「じゃ、区切りがいいので終わりにしましょう。」

「ごめんね、わたしの勉強に付き合わせちゃって。夜空君にも課題あったでしょ?」


ずっとわたしに付きっきりで、時間を無駄に使わせちゃったかなぁ……


「あ、夏休み入って初日と二日目で終わらせたんで問題ないですよ。それより、夕ご飯作りますね。今日、僕は八時半から用事があるのでそれまでに色々お終わらせないとダメなので。」


え?もう終わってるの?早すぎない!?


「うん、簡単なのでいいよ。本当に夜空君はすごいね、もう課題終わらせちゃってるなんて……」


本当に、夜空君って人なの?

ハイスペックすぎるんだけど………


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