夜空君、助けて!



ヤバい!どうしよう!今気が付いちゃった!!

わたし、家事出来ない!!


いつもは母さんがやってくれるのに、なんでわたしを置いて父さんと海外に行っちゃうの?


あわわわ!!


あ!そうだ!こんな時こそ、お母さんからお別れの前に渡された、この『困ったときお助けバック』を開くとき!!


急いでバックを開けると、その中には、色々な物と、一枚の紙が入っていた。

とりあえず紙に何か書いてあったので、それを読む。


『千雪へ。これを読んでいるということは、家事が出来ないことに気が付いたのでしょう。』


お見通し!?お母さん凄すぎ!!


『そんな千雪に、母さんから解決策があります。』


え?本当に!?ま、まさかこのバックに中に手伝ってくれる便利アイテムが!?


『千雪の好きな人の家に、泊めてもらいなさい。彼なら、きっと押しに弱いから大丈夫なはずです。このバックの中には必要なものが入っているので、このまま行きなさい。』


お母さん…それはハードルが高すぎるよ!

泊る?無理無理無理無理!!


恥ずかしくて死んじゃうよ!


でも…もう夜空君しか頼れる人が…


うう、でも!!


ごめん!夜空君!!迷惑かけるね!!


わたしは進行方向を変え、前に場所だけ聞いておいた夜空君の家に向かう。

うう…なんて言って泊めてもらおう……

家事出来ないなんて言ったら、夜空君呆れないかな?


そんなこんなで、夜空君の家の前に着いた。

けど…インターフォンってこんなに押しにくいものだった?

どうしよう!こんな時間に押しかけたら迷惑だよね!?

でも…

そうだ!!

わたしは一つだけ解決策を閃いた!


電話なら!!


わたしは藁にも縋る思いでスマホを操作し、夜空君に電話を掛ける。


――プルルルル


早く出て!!


――プルルルル


早く!


――プルルルル


え?何?もう寝ちゃってるの?


――プルル…

『もしもし。』

ああ、よかったぁ…電話に出てくれたよぉ…

「もしもし、夜空君?今家?」

『はい、着替えもせずぼんやりしていた所です。』

「じゃあ丁度よかった。」


忙しかったら、すっごく迷惑なことしちゃったことになるからぼんやりしてたところでよかった。


それより、この先どう説得するかな……


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