第一章 一話目 健一の一日


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101号室 斎藤健一様の物語

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あ、初めまして。

こちらのマンションの住人の皆様の物語の案内役をさせていただきます、

「ななし」と申します。

以後お見知りおきを。



1話目になります今回は、

101号室の斎藤健一様の物語となっております。



え?どんな人?

んーそうですねえ・・今は良い人、ですね。

昔は・・・まあおいておきましょう。


では、こちらをご覧ください。




【これは 不思議なマンション comrade のお話。】







目覚ましが鳴る。かなりの大音量だ。

健一「あー・・・うるっせえなあ・・・・」

そうか、今日は月曜日か。

めんどくせえなあ・・仕事行かないと・・


重い体を起こし、玉子かけご飯を食べる。

朝はこれが一番手っ取り早いからいつもこれだ。

無精髭を剃り、準備をして会社に向かう。

健一「たばこ吸う時間あるな、吸ってから行こう。」

部屋にたばこの匂いが充満する。


毎朝の満員電車にももう慣れた。

会社までは20分。

昔は1時間以上かかる場所に部屋を借りてたから今は楽でしょうがない。

やはりあのマンションに住んで正解だったなと頷く。


会社はちょっとした商社だ。

最近大きなビルに建て替えられた。



受付「おはようございます。」

健一「おはよう、今日も綺麗だね。」

受付「ありがとうございます。」

健一は朝からお気に入りの受付嬢が見れたとウキウキしながらエレベーターに乗った。


受付1「あいつほんとキモイ、

   身なりも顔もいいのにあの性格じゃきもいだけだよねえ。」

受付2「ほんとそれ!目線は胸だし。

    セクハラですって訴えたいけど社長のお気に入りだから

   こっちが飛ばされちゃうよねえ・・」

受付1「まあ、毎朝適当に流せばいいでしょう!それで満足してくれるんだから」



8階が営業のフロアだ。

健一「おはよう!」

同僚達「・・・・・・。」

健一「なんだ元気ないなあ!!」


毎朝大きい声で挨拶をするが返事が来たのは入社して半年目までだった。

健一「・・・・はいはい、どうせ嫌われてますよ」

聞こえる声で一人事をつぶやく。

なぜ嫌われているのかはわからない。

ただ、いつもこうだから慣れてしまった。


健一「今日もやりますか」

営業トップの座は誰にも譲りたくない健一は、毎日必死に仕事をする。


・・・ふりをして後輩に仕事をすべて投げている。

おかげで後輩は毎日寝不足だ。



同僚たちは彼が仕事をしていないことを知っているが

社長に気に入られている彼に文句を言うことができないでいる。


後輩に仕事を投げていても営業トップを維持しているから

後輩は凄腕だと皆わかっている、わかってはいるが

自分にも仕事があるからと後輩を助けようとはしない。



後輩の口癖は「しょうがないです。」「わかっていますから。」

何年も同じ状況が続いているから何もかも諦めているのだ。

かわいそうな後輩である。



提示になり健一は帰宅。

健一「今日もかえって晩酌しようかなー♪」

同僚からは殺意が感じられるほど職場はピリピリしているが

健一は知ったこっちゃないとバッサリ。



家に帰り晩酌をし、眠くなったらねる。


健一の一日はいつもこうである。





健一の毎日はこれからもずっと、

このまま続くと思っていた。







1-1 健一の一日 完

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マンション comrade わんこ @wankoin

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