第12話 格闘家vs装備

 今は自分の部屋の勉強机で宿題をしている。


 「魔王!とうとう玉座までたどり着いたぞ!」

 「僕たちは、退かない!」

 「ガル!」


 妄想たちのレベルが上がったのか、精神が壊れ始めたのか俺の部屋でも見えるように…。ふぅー。


 「そういえば、チェリーたちっていつも同じ服だな?」

 「装備なんて1つあれば十分だ!」

 「そうだよ!二つなんてお金が足りないよ!」

 「ガルは3着あるガル。」

 「格闘家は服だし…。」


 妹は、今、風呂か。よし。俺は妄想たちを待たせておいて、妹の部屋に侵入する。


 「あった。あった。」


 妹の人形コレクションを箱ごと自分の部屋に持ち去る。

 「ちょっと、これを着てみろ。」


 次々に箱から出される人形や人形のドレスに目を見張っている。


 「ぼ、僕たちの装備を取り上げるきだな!」

 「お前ら、アイテムボックスがあるだろ。」


 「ガルはこれがいい!」

 格闘家リンドが、格闘服をすぽぽーんと脱いでドレスを着る。おー。予想以上にいいもの見れた!

 「リンド~、似合ってるにゃん。」なでなで


 「ぼ、ぼくもちょっとだけ、来てみようかな。」

 勇者ピアは、恥かし気に服を脱いでカジュアルな服を着る。妄想だからなのか、人形のドレスのサイズがピタリと合う。

 「いい感じで、ボーイッシュだ。」なでなで


 「た、たまには息抜きも必要だしな。」

 女戦士チェリーが、鎧を脱ぎチアリーダーユニフォームを着る。おー。

 「可愛い。ぐっと女らしさがあふれるな。」なでなで


 「ガル、こっちのも着る!」

 リンドがドレスを脱ぎ、セーラー服を着る。ぐはっ。猫耳セーラー服は反則!

 「かわいいにゃん!」なでなで


 ふと、気配を感じ振り返ると、部屋の扉の隙間から妹のいちが覗いている。


 「!!!」


 「おかーさん!おにーちゃんがゲスい顔で、わたしの人形の服脱がしてる~!!」

 「あぁ!まて!いち~!」


 妄想は消え、裸になった人形と散らばった服だけが残る。

 くっ、ころせ…。


 副題:風呂上りに兄が人形の服を脱がしている恐怖

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悪戯しちゃっていいですか?承諾不要の煩悩ファンタジー 酔玉 火種 @yoidama-hidane

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