待ち合わせ

 今日の十六時に人に会う予定がある。別に親しいわけでもないのだが近くにいるというだけの理由で呼び出した。そう、私が呼び出したのだ。あまりにも暇なので酒でも飲まんかと誘ってみたのだが、当日になってみるとどうも行く気がしない。急に用事が入って今日は無理そうだとの連絡が入ったなら私は小躍りしてしまうだろう。それぐらい面倒だ。なんで人に会う予定なんかいれちまったんだ。その日は泥酔でもしていたのか?

 そろそろ、支度をしなければならない。服を着替えて、駅まで歩いて、待ち合わせて、店を探して、高い金を出して、酔った頭で電車に揺られて……。

 ああ、憂鬱だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る