　映画でなく、映画館についての雑感である。

　私が好む映画館とは、手ごろな広さと非日常感を両立しているところである。

　よくある商業施設の一画にあるようなものはあまり好きではない。良い映画に出会い、その余韻を楽しんでいるときに、ラーメンの店だの、下着売り場だの、そんな生活に密着したものは見たくない。単館も善し悪しである。有楽町のある映画館に行ったが、どうにも店自体が狭くて客の入れ替えが忙しなく、落ち着いて映画までの時を楽しむことが出来なかった。

　今まで行った映画館で一番は桜坂劇場だろうか。良い意味で時代から取り残されたような空気があり、尚且つ広さも丁度良い。帰り道も国際通りをちょっと外れたディープな居酒屋を横目に日常へ帰っていく感じが気が利いている。沖縄へ行く機会が有ったら是非立ち寄ってほしい。

　ところで、映画を見ながら何をつまめば良いのだろうか？

　未だに正解が見えず、頭を痛めている。

　定番のポップコーンやホットドッグは試してみたが、どうも違う気がする。かといって余所から持ち込むのは禁止されている。柿の種なんかが無難じゃないかと思う。劇場内で売ってくれないものだろうか。