第6話 一人じゃない

 調停を申し立てる前に誰かに相談したか?

 そりゃあもちろんしまくった。

 一人で何かやるって、そんなの無理!

 

 調停と言わず一人で何かしら悩んでいる人は、どんなにプライベートな内容であれ、ナイーブな問題であれ、「困ってるんだ! 誰か助けてくれ!!」と言いまくった方がいい。他人はあなたを助けたくて待ってるんだ。

 壊れてからじゃ遅い。

 

 私はプライドも状況もなりふり構わず、叫んだ。

 道端の花に向かって叫んだこともある。

 

 なんでもそうだが、一人で何かできるわけない。

 

 物理的に(父親がいないという意味での)ワンオペ育児なのだが、幸運にも母がいて、友人がいて、さらには知人がたくさんいて、「これなんの乙女ゲー? 逆ハーかな?」って勢いで助けてくれた。

「頼ってもらえて嬉しい」

 そんな風に言ってくれるのだ。

 この素晴らしい人たちについては、また別の回で。

 

 ――旦那の義姉、兄弟の嫁も助けてくれたその一人だ。

 仲が良くも悪くもなかった。というより、話したことがほとんどない。近くに住んでいるのにほとんど会った事がなかった。結婚式以来会った試しがない。

 それでも思い切って連絡した。

 

 返事は思ったよりもすぐに来た。

すると、うちに遊びに来ないかと言ってもらえた。すぐさま行った。

事情は前もって報告していたので、息子の誕生のお祝いもそこそこに本題へ移った。義姉は非常に察しが良く(助産師さんといい、私は運がいい)、私や旦那を傷つけない表現をしつつも、私をとても気遣ってくれた。

そして……これはまた後の話に出るが、義父母がとんでもない人と言うのがわかった。


 話は前後するが、結局旦那は自分の実家にいたわけで……実家に帰るように言ったのも、荷物を持って帰ったのも、住所を変更するようにしたのも、全部義父母の仕業……仕向けた事だった。そして、旦那は義父母の言葉が全て正しいと心から信じていた。

(たとえ自分の子を見捨てる事となっても、義父母の言葉を選ぶのだろう)

 

 色々書こうと思ったがあまりに字数が足りない。私もあまり悪くは言いたくないのでここでストップ。

 まあ、つまり、そういう人たちなのだ。

 そして義姉も、そういう人たちに振り回されて何度も泣かされてきたという。


 話すうちに、私たちは同志となった。

 応援っていうのも変だけど、応援してるから――直接的には助けれない立場である義姉はその後も大変お世話になっている。私もまた、義姉が他所で言えない事を聞いては二人で「コンチキショー」と発散させるのであった。

 

 周りの人が文字通り支えてくれるからこそ、裁判所に行けたのだと思う……。

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