8 ers mig te+jife cu+so.mete sufa:nama di:kzo cu?(とても大事な質問だ。お前はスファーナの肉を食べたか?)
レクゼリアの顔が若干、ひきつっていた。
おそらくリアメスはyuridbem、魔術宇宙を見てまだレクゼリアのなかに生命の気配がないことを悟ったのだろう。
ただ、レクゼリアとしては、それはひどく不気味なことのようだ。
もともと彼女は魔術師を嫌っている。
ungxagav.yem wonto zev morguzcho.(困ったね。まだお前はモルグズと行動しなきゃならない)
つまりウォーザ神は、どうしてもレクゼリアにモルグズの子供を孕ませ、生ませたいらしい。
だがそうなると、不安なのがエィヘゥグの精神状態だった。
さきほどから、彼は顔をこわばらせたままだ。
リアメスがちらりと目をやって、笑った。
avto yurfe metszo.ers selinma artis.(面白いものを持っているね。精霊の剣か)
ぎこちなくエィヘゥグがうなずいた。
y,ya:ya.(あ、ああ)
だが、いまの彼の目は、かつてのある意味、わかりやすいかったそれとはだいぶ違っている。
濁りがある、とでもいうべきか。
憧れていた女性が、モルグズと交わる姿を見せつけられたのだから、それとは当然のことだろう。
エィヘゥグも、見なくてもいい地獄を見せられた。
つくづく、神々とは残酷なものだ。
uwowtha jeygo the:lotho vel.ijethov thev jodtho.(ウォゥざは俺に使命うぉ与えた。俺はそれうぉ守らねばぬぁらない)
リアメスがいささか呆れたような顔をした。
ers megce idekt.(ひどい訛りだね)
そこで、この老婆がまったくグルディア訛りで話していないことに気づいた。
考えてみれば、彼女はグルディア建国に関わったとはいえ、別にグルディア出身ではないのかもしれない。
よく見れば肌も白いので、イシュリナシア生まれの可能性もある。
abova delotum eto kilreys tus.(お前は戦士としてはまだ未熟に思えるね)
リアメスの言葉に、エィヘゥグが肩を震わせた。
顔が怒りのためか朱色に染まっていく。
imvana:r ned!(侮辱するなっ!)
jod ers delot.(それが未熟なんだよ)
ふいに老婆が、エィヘゥグを凝視した。
ひどく静かな目のようにも思えるが、モルグズには理解できた。
リアメスは、もしウォーザの使命を帯びていなければ、この場で鬱陶しい虫でも踏み潰すように、エィヘゥグを殺していただろう、ということを。
だが、彼女は殺気すら放っていない。
じっと相手を見つめているだけなのに、エィヘゥグは顔から脂汗を流している。
うまく言葉すら発せないようだ。
もはやこのリアメスという老婆は、人間というよりは半神とでもいうべきなのではないか、とさえ思った。
役者が違うというより、存在の次元そのものが異なるものとしか思えない。
ers omgece gxa:.vekava ci ned wam wo:za jeles honef azuz.(生意気なガキだ。なんでこんなのをウォーザが選んだのか理解できないね)
実をいえば、リアメスの気持ちもわからないでもない。
モルグス自身、ウォーザがなにを考えているのかいまだにわからないのだ。
wo:za ers pulbos.(ウォーザは気まぐれだ)
リアメスは溜め息をつくと、いきなり話題を変えた。
yete sufa:nacho cez.(スファーナとお前たちは一緒にいたって話しだが)
突然の質問に、モルグズは言葉を失った。
まさか、リアメスがスファーナのことを知っているとは思わなかった。
sxalto sufa:nazo cu?(スファーナを知っているのか?)
melrum ers.yem solowa del.(当然だよ。まだ生きていたとはね)
考えてみれば、スファーナは三百年も生きているのだ。
リアメスのような有名人が知り合いであっても、おかしくはないのかもしれない。
ahxa li ames era rxa:fe now.era rxo:bin resa.(見た目は若いがいかれてる。恐ろしい女だよ)
なんだか話がおかしい。
リアメスといえばこの地では最も恐れられている魔術師のはずなのだ。
その彼女をして「恐ろしい」と言わしめるスファーナとは、一体、何者なのだ。
一応、彼女の過去の話は聞いていたが、いままでリアメスのことなど一度も話題にのぼったことはなかった。
ふいに、こちらを見るリアメスの顔つきが変わった。
ers mig te+jife cu+so.mete sufa:nama di:kzo cu?(とても大事な質問だ。お前はスファーナの肉を食べたか?)
それを聞いて、レクゼリアとエィヘゥグの顔色が変わった。
彼らもスファーナのことは知っている。
だが彼らが仲間になってからは、スファーナの肉は一度も食べていないのだ。
mete.(食った)
すると、リアメスが苦笑いを浮かべた。
eto lawzosin reys.cosum zamto ci ned foy.(可哀想な男だ。お前は簡単には死ねないかも知れない)
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