§5-2-2・一方その頃、日本は? 〜第二次安倍政権(2013年)以後の状況について←なぁ安倍君、第三の矢は「金利の正常化」だったんだよ…(  ̄ー ̄)y-~~

続きです...|д゚)チラッ 



●2019年頃までの日本について 〜第二次安倍政権(2013年)以後の状況について


 これらの反省もあってか、2013年以後、安倍政権下では、想像を絶する程の極端に大規模な金融緩和と景気刺激策が矢継ぎ早に採用された。結果から言うと『目に見える劇的な効果はあったが、債務は思ったほど減らなかった』だった。とはいえ目に見える形で経済成長があり、暫くの間は国家破綻は免れそうな安心感が漂った。ようやくデフレから脱却できそうだった。


 事実、2019年時には民間に実に500兆円もの「手元現金」があるとされ、純資産も約3.300-兆円、また対外投資額も1.000-兆円の大台に乗った。この額は第二次安倍政権初期の頃にくらべ、ほぼ倍くらいの資産増加だった。逆に言えば、わずか五年程度でここまで劇的に回復するだけの国力が日本にはあったのである…(゚д゚)!?


 他方、円キャリートレードの問題は発生しなかった。

 安倍政権下では継続的な対外投資により「換金する以上の円を海外に突っ込み続けた」からだ。安倍政権下で復活した輸出力、および第規模金融緩和によるプチバブルのような景気刺激によって大量の国富を生み出すことに成功し、そのカネを米国・中国を中心に世界中に突っ込んだ挙句、そのまま「現地に残してきた」のである。


 儲けたカネ(円)→ドル等に換算→現地に投資…のままならば、決算して円に換金しなければ円高要因にはならない。しかも儲けたカネを継続して投下しつづけたなら、継続して円安要因になる。これが2017年度あたりから顕著になってきた…


「ドル円相場は動かなくなった…Σ(゚Д゚)?!」

「円高にブレないのはなぜ…(@_@;)??」


…の理由でもある。実際、米国株式に対してはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などが海外ETF購入等に突っ込んでは莫大な資産を再生産し続けていたし(2019年時で累計黒字56兆円…爆)、農林中金などはCLOと呼ばれる「銀行債務のサブプライムローン」みたいな、結構ヤバゲな案件に7兆円以上も突っ込んでいた。


 民間も成長の見込める米国株式だけでなく債券(国債だけでなく社債など)や不動産など幅広く購入した。また日系企業による海外企業のM&A(企業買収)も極めて精力的に行われた。特に2018年には過去最大の総額20兆円(前年比178%増)を超えるM&Aを仕掛け、武田薬品によるシャイアー買収やソフトバンク(TSモバイルUS)によるスプリント買収などにみられるように、「成長株」であったヘルスケアと通信を中心に大型買収が続いた年で、翌2019年時は前年比40%減ではあるものの、それでも10兆円を越える規模で買収を進めた程だった(世界でも買収規模と額においては上位三位くらいの数字のようだ…)。こんな事が連年続いていたのである。


あらやだ。買いまくり…(゚д゚)あらやだ!


 加えて、大企業だけでなく中小企業も幅広く米国などの外国資産を購入し続けた。その規模はもはや「よくわからないほど」で、米国だけで官民あわせた直接間接投資額600兆円以上の規模ではないかと言われるほどだった。挙句、ミセス・ワタナベたち個人投資家までもが(東証に見切りをつけて)ダウやラッセル2000等にカネを突っ込み始め、FXなどの為替領域でも一つの大きなトレンドを作る程の巨大勢力として君臨し続けていた。


これはアベノミクスの功の部分だ。経済は活力を取り戻した。

確かに恩恵はあったのだ…( •̀ᄇ• ́)ﻭ✧


 なにしろ時代はちょうどトランプ政権。この政権はアメリカ一国主義を掲げて外交や他国籍防衛・世界の秩序や平和なんかそっちのけで、米国経済の復活・強化のみに邁進した。

 彼は米国の労働者(主に中間〜下層階級)の資産増強のため、関税貿易を復活させたりFRBにドル安誘導を強要(≒恫喝)したりとやりたい放題の「クソのような奴」だったが、おかげで株式市場は活況を呈した。米国国民資産も爆増した。毎年200兆円以上も成長しつづけ、年平均2.5%前後の高い成長率を維持した。結果、相対的に米ドルと株価は高いままであり、マイナス金利・死んだような東証の日本からすれば…


狩場…(人´∀`).☆.。.:*・゚パァァ


…だったことは言うまでもない。この米国に、上はGPIFや日銀・農林中金から、民間の大企業・中小企業、果ては個人投資家までが海外にカネをぶっこみ続けたのだから、円高なんかになるはずもなかった。


 本来、円安なので対外投資ではコストがかかるはずだったが、マイナス金利のために超低金利でカネは借りることが出来、しかも米国などは金利が日本より高かったからメリットの方が大きかった。円安のままであれば、換金する時には「資産が増える」。一ドル80円よりも、一ドル105円のほうがドルを円に戻した時により儲かるのは言うまでもない(実際は手数料やインフレ率などの問題もあるが、それでもメリットの方が大きい)。同じ理屈で「含み益が大きい」まま、海外に安定的に残置されたのである。それどころか稼いだカネはドル建て。そのドル建てをそのまま投資にツッコんで「一度も円に換金しない」のならば、どうして円高なんかになるというのだろうか? 特にGPIFと日銀さんは「まるで円高にならないように」頑張って米国證券に投資しまくってるようにさえ思えるほどだった(爆)。

 

 小泉政権時→借りたカネを海外に突っ込んだ→返金の時に円高になった

 安倍政権時→稼いだカネを海外に突っ込んだ→そのまま円安に繋がった


…とまあ、借金で突っ込むか儲けたカネで突っ込むかで天と地ほどの差が出た。こんな感じでカネを持ってて転がせる連中にとっては天国に近かったが同時期、金融資産を持たない大抵の日本人にとっては、


「あれ? 思ったほど所得が伸びない…(:_;)」


…の状態が続いた。二度に渡る消費増税のせいかもしれず、他国籍貿易の恩恵のため物価が安いまま(労働賃金の安い国からの物品輸入が続いた)だったこともあるし、米国のシェールオイル増産やOPECなどの協調減産協議が上手くまとまらないなどの政治的な理由などが加わって原油価格が安かったから物価は上がらなかった(エネルギーとインフレに関しては既出。エネルギー価格は物価変動の大きな要因)。物価上昇はあまりなく、結果、所得もほとんど伸びなかったのだ。


 でも、こんなことは些細なことかも知れない。より問題だったのは、高インフレ成長が発生しないと国債も消滅はしない事の方だ。


 景気刺激のためには(通貨膨張の原資たる)国債の爆増はやむを得ない。つまり政府債務は激増する。問題は、これだけの出費をしたのに『一向に成長軌道に乗らない』ということの方で、成長インフレが起きなかったので国家債務も減らなかった事だ。安倍政権は結果として高インフレ成長を作り出すことが出来なかったのである…(:_;)


 このため結果論ではあるが、景気刺激のために行った金融緩和によって、日銀に大量の国債が蓄積した。他方、民間からは国債が消えた。半分以上が日銀および政府系金融機関が保有しているという状況であり、明らかに「市場にカネ(≒国債)が足りない」。これが逆に「持続的なインフレが発生しない」理由にもなったのだ。


 事実、米国はGDPが2000兆円の時、国債もまた2000兆円以上あった。日本国債の倍の量を発行し、倍以上の金利が付き(下手したら3%台の時もあった)、なにより市場に1000兆円以上も流通していたのだから、ドルは世界を回って米国へと回帰し、インフレ成長をもたらすに十分な通貨膨張をもたらした。他方、日本は市場に低金利の、しかもGDPよりも少ない円資産しか市場に流通していないのだから、ハデな通貨インフレ(≒成長インフレ)が発生するはずはなかった。


 金利の上昇をもたらすほど十分な量の国債が市場において流通していないからであり、同時期に日本国破綻を回避するための金利操作(長短金利操作付き量的・質的金融緩和=ゼロ金利政策)を日銀財務省がやり始めたために「金利上昇→通貨の価値の暴落(自国通貨安+物価高)→国債(=カネ)の原価割れによる自然消滅」のプロセスが死んだ。

 インフレという「悪魔の力」は同時に「アベノミクスのたった五年」で国富を倍増させるほど強力な産業力を持つ日本に、さらなる爆発的で継続的な経済成長をもたらす原動力となる力でもあった。しかし日銀の金利政策により、この力をも失った事は残念なことだった…(:_;)

 

 ※     ※     ※


 インフレは「悪魔」とされている。庶民生活を破壊するからだ。しかし日本国はこの「悪魔」の力を自らの国力に変えることが「出来た」のである。アベノミクスで実証済みだ。いやむしろ、これがアベノミクスの意義だったのだ…( •̀ᄇ• ́)ﻭ✧


 よって「日本」という国は悪魔インフレの魔力を自らの成長と創造に転換するための「メカニズム」そのものであり、国家というメカニズムそのものが通貨とインフレを適切にコントロールすることで富と仕事(≒失業率改善)を生み出す波動エンジンのような存在だったのである。管理通貨制度下における「国家」の本質とは本来、そういう性質のものなのだ。


 なのでもっと国債を増発し、市場における適切な金利を発生させ、その結果、インフレ成長(≒金利の上昇)を誘発し既発・新発分の国債を償却していくべきだったのに、それをやらなかったということだった。国債をウンと増やせば逆に国債もウンと減る。しかしインフレによって国民には「物凄い犠牲」を払わせているから、特に「奇跡の魔法」を使ってるワケでもない。ごく普通の、中学公民のレベルの話なだけでなく、1970-80年代に日本で実際におこっていたことだった。

 

 日本だけでなく中国などでも人気のある「ドラえもん」を見ると分かる。野比のび太の母・たま子夫人は常に「今月も赤字だわ」と嘆いている描写が続いている(コミック参照)。


 何故か?…(?_?)

 

 70年代から急激に増加した日本国債増発により「ヤバイよね?! マジで日本が国家破綻するんじゃね?(゚д゚)!?」という程、国債金利が上昇し(一時期、実に16%にも達した…爆死)、この悪影響で激しい物価高に見舞われていたからである。一介のサラリーマンにして彼女の夫・のび助はチビチビと輸入ウイスキーを舐める程度の余裕しかなくなり、野比家の生活は常に圧迫されることになった。株式などに投資している描写がない以上、野比家は勤労所得のみによって生活を維持していたのであり、金融所得がない以上、金利上昇の恩恵に浴することは出来無かったのである…( ・᷄д・᷅ )

 

 70年代は確かに所得が伸びのびた一方で、物価上昇率も伸び伸びた。特にオイルショックによる物価上昇圧力や、米国の金本位制中止などの金融的混乱が当時のモノ不足・金融力不足の目立つ日本の物価高に拍車をかけた。知られてないことだが、後者の金本位制崩壊は極めて重大な出来事で、日本においては1971年以後、1ドル=360円の固定相場制が崩壊し徐々に円高に移行していったため、産業輸出力の低下を恐れた金融当局者が超低金利政策を実施した(≒円安誘導)。これが後の80年代バブルの直接の引き金になったと言われている。

 要は70年代から20年近くに渡って続いた国債増発による大規模な「カネばら撒き」〜まさに現代の金融緩和とその結果の債権バブル連発と崩壊の雛形が、ここにあったのである。 


 困ったことだネー…(  ̄ー ̄)y-~~


 しかしながら良いことだってある。インフレは経済成長の原動力で富を生み出す力でもあるのだ。富を生み出す…これが「悪魔の力」の真髄だ。


 インフレだと確かに貧富の格差が大きくなると言っていい。ならば、物価高によって生成されたインフレ成長分の「豊かさ」を、後で国民にどう適正に分配するか?…だけの問題のはずだった。だからこそ、まずはカネをばら撒き、国家の産業力・国内消費力をUPさせる。このため経常収支が赤字になったとしても「かまわない」ほどだ。

 なぜなら経済成長に必要な資材が「足りないほど」元気に国力が、特に国内消費市場が活況を呈しているからであり、米国がこの40年、大抵の場合は貿易収支(→経常収支)赤字だらけでも「全然くたばる気配がなく」元気いっぱいに毎年200兆円規模で国富を増強し続けている事が証明している。


 あとはインフレによって生み出された潤沢な国富を「可処分所得の再分配」で貧乏に行き渡らせばよいだけのことだ。ならば「富を生み出す」ことが出来なければ〜産業力の増強がなければ誰一人として救われないではないか!?(怒)


 しかし東大出ばかりの財務省は、なぜかこの理屈が(永遠に)わからないらしい。資産家の家系が多いらしいが、ケチなんだろうか(?_?)。連中にとって国債はどうしても増発したくない「怖い借金」のようだ。何故だ(?_?)。アンタら個人の借金でもないのに??


 日本国のカネの管理を任されていた財務省だが、産業振興を図らねばインフレは発生しないが、そのためには通貨供給量を増やすしかない。しかし国債は増やしたくない。経済成長したいが金利は(国家破綻のリスクが上がるので)あげたくない。国家破綻は避けたいが、金利が不適切に低すぎるために国債は逆に累積していく…という矛盾をどう解消するつもりなのか? 

 デフレというタマゴが先か? それとも低成長というニワトリが先か? どっちがどうなってるのか本当に判っていないのではないか? こんなんでは何時までたっても離陸する事など出来ないではないか??


その混乱の結果なのか、常に中途半端で、インフレ成長も出来なければ国債も減らせないしデフレからも完全脱却できないというワケのわからない…


Z、キミ、何がしたいの…(´・ω・`)?


…な状態のまま令和を迎えてしまうのだ。ホンマ、日本はおかしい(๑꒪ㅁ꒪๑)??

キミ、FRBはこんな事、一度もやってないでしょ?


 他の国では国債を増発すれば、その結果としてインフレが発生する。また公開市場操作などで資産(国債)を買い入れれば、多額のカネが市場に流れてインフレをもたらす。事実、FRBはそうしていた。結果、米国は年2.6%以上の経済成長を続けていた。この理屈は日本も判っていたはずだが、なぜか日本はそうしなかった…(?_?)

 

 米国の場合、経済不況でFRBなどが大規模に国債を買い入れた(=代わりにカネをばら撒く)としても、このカネで経済が順調に回復したなら、その後でFRBは出口戦略として国債を市場に押し戻す事を徹底している。


 なぜなら民間にとっては、この時の「より高い金利」の国債は「資産」であり、同時に市場に国債を押し戻すことで金利もそれなり高くなる(市場での流通量が増えるので)。この「高金利」が経済成長に必要な通貨供給量の増加分になり、持続的な経済成長インフレの原動力となるからだ。


 だからFRBは出口戦略を採用し、FRBの中に溜め込んだ国債を(米国連邦政府が破綻するかも知れないリスクを覚悟の上で)民間市場に「押し戻して」いるのだ。これがFRBのバランスシートにおいて常に自国国債を抱え込まないようにしている理由なのだ。国債を市場に戻した事によって生じる金利が経済成長率に密接に関係する(=国力増強)事を判っているから「中央銀行が国債を抱え込まない」ようにしているのだ。だいたい、2018年の米国の一年間の連邦債の利払償還費用は実に55-60兆円にも及ぶ(爆死)。

 

 こんなとてつもない出費を毎年、米国連邦政府はFRBのせいでは強要されているのだ。にも関わらずFRBは国債を市場に押し戻し、金利を2%以上の高めに「誘導」しているのはなぜなのか?


連邦政府の負担爆増でも、米国の富が増強するからだよ(# ゚Д゚)!!

債権の金利と経済成長率には密接な正比例の関係があることをFRBはちゃんと知っているからなんだよ(# ゚Д゚)!

 

 逆に言えば、FRBみたいにやらないのだから、日本が2%の成長なんてできるはずないと断言もできる。そして日本が永久にデフレから脱却できそうにない理由がこれであり、この不可解な財務省および日銀の金融的な操作のミスを誘引する「理由」があるとしたら、これは日本の国債の管理方法そのものに重大な欠点があると考えるしかない。

  

 そこで次に、どうやって日本は多額の国債を償還するつもりなのか?…のシステムについて考察してみる。連中の間違いの元凶を探るべきだ。

 調べてみると、あまりにも日本だけが異質であることに気づかされ、これが原因で国家破綻へと向かっているのではないかとさえ疑わせる程、重大な欠点を含んでいるのが判った…(:_;)



           【 この項目、怒りを込めて次に続く 】

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