§5-1-13・そして米中〜ry(その4)…海外に市場を依存し、国内の労働者をないがしろにした国々(←含む日本)の敗北(눈‸눈)

◎海外に市場を依存した国の敗北について…


|д゚)チラッ


日本の国内市場の六割は『個人消費』で支えられています。しかしながら2019年末の状況は極めて悪いものです。特に10月の消費税率の8%→10%UPは、12月の総務省調査により前年同月比実質-5.1%という大きなものです。この減少幅は前回増税時の2014年4月の同比-4.6%減を上回ります。


前回はおよそ7兆円程の市場規模押し下げ効果があったとされ、今回はこれを上回る規模の経済縮小さえありえます。前述のように全世界における関税戦争の悪影響も加味しなければならないからです。しかも19年時のデータは直近のものであり(この記述が19年12月なので)、よって今後さらに数ヶ月に渡ってさらなる悪い数字が出てくる可能性があります。


非常に不思議なのは「この前年までは自律的な景気上昇があったにも関らず、消費税率をUPする必要があったのか?」ということでした。


事実、18年は一般会計収入(租税収入)で60兆円超え(これは自然増ということ)の過去最高額であり、景気が良い時には増える傾向にある所得税と法人税はそれぞれ所得税が19.9兆円(約0.4兆円ほどの上ブレ)、法人税は12.3兆円(約0.02兆円の上ブレ)でした。しかも国債利払い費(日銀が儲け出しすぎた時には政府にカネを返金する)や予備費などで1.6兆円の余剰金が出来たため、


「国債発行額を1兆円ほど減らした( ー`дー´)キリッ」


と安倍首相自身が実績として豪語していたにも関らず…です。


自律的に景気が良い(少なくとも悪すぎなかった)のに、なぜ景気を悪化させるだけの消費税率アップなんてことをしたのでしょう?

確かに18年度の消費税は17.7兆円と前年実績を0.15兆円ほど下回りました。しかしだからといって消費税率をUPして、市場の縮小を招けば、逆に東証などの株価の下落要因になりマイナスダメージの方が大きいでしょう。


消費増税は貧乏人も金持ちも物を購入する際に10%(か8%)がかかるために逆進性が高いとされています。この税制の唯一のメリットは、所得税や法人税に比べて景気動向に左右されにくいという事くらいで、まさに財務省にとってのメリットしかありません。


そして連呼するように『通貨膨張政策(←この場合、アベノミクス)を採用している場合、如何なる増税もしてはならない』という鉄則ともズレてます。

実際、去年までは『景気の緩やかな回復により一般会計は過去最高の60兆円だったでしょ(# ゚Д゚)!!』です。


通貨膨張政策によって発生した成長インフレによる自然増こそが『健全な財政再建の道』なのです。なので、この政策(アベノミクス)を実施している場合、増税はすべきではないのです。


ではなんで理にそぐわない消費税率アップをしたのかですが、筆者が思うに『経団連からの圧力』ではないかと思うのです。確信は無いのですが…(´-ω-`)

というのも、日本の財政状況が悪い場合、民間が海外で資金を調達する時に「おい、日本の将来が不安だから保険金(とか借入金利)UPしとくからな」みたいな話になり、借り入れ負担が増えるから…ではないかと疑っているのです。


傍証にしかならないのですが、今回の消費増税UPに関しては食料品等の生活必需品は8%据え置き(軽減税率の初導入)であり、同時に実施されるポイント還元(支払い額の最大5%まで。2020年6月末までの9カ月間予定)のような購買意欲の減衰を阻止するための手段を用いていることで、この負担が実に数千億円にもなるという無意味さ。しかも翌年度には税収不足により国債を増発し、しかも13兆円の大規模な景気刺激策(総額25兆円想定)を計画するという異常さ。


「これ、なんのための増税なんだ(# ゚Д゚)!!」


まさにこれです。そもそも増税しても予算が足りない程度の増税が、世界景気のこれだけの悪化時に必要だったのか?という疑問です。

ということは要するに経済団体(=この場合は『民間』という事)に政府が押し切られたという事です。労働者の敵は政府ではなく企業家というマルクスが言いそうな結果です。残念ながら政府が資本家に勝つ事は稀です。常に民間の方が強いのです、実は(爆


このような政策と長く続く賃金デフレのために、日本は他国と比べて、あまり普通ではない「個人間の所得格差よりも、企業vs個人との格差が大きい」状況になっている可能性があります。そこで、雑に調べてみました。これ以上沢山書くと、読まれなくなりそうだからです…。


( ̄ー ̄)ノ" ゜ ポイッっ


国民の貧困を図る指数の一つに『ジニ係数』があります。

一つの国家の富を全員で完全平等に分けた時を『0.0』、たった一人が完全独占した場合を『1.0』とし、この間の分布を統計処理するものですが、大体0.2くらいは優秀。0.3だと結構アカン、0.4はマジアカンで、0.5以上だと暴動レベルとされています


で、この指標だけを見ると日本は『0.31-0.33』で『格差の大きい国』なんですが、しかし実のところ過去40年の間、数値はほぼ変わっていません(爆)。民主政権とか自民党とか全然関係なかったということです。ちな、米国は大体0.4くらい。中国と南アは実に0.6くらいなのではないか?とされています(中国と南アは統計不明瞭なのであくまでウワサ)。


つまり日本の貧困はこのデータからは読み解け無いのです。昔に比べて貧乏になったという理由が無いからです。つまり、あんまり役にたたないかも、と…┌(_Д_┌ )┐

そこで別のわかりやすい数字を出します。


2019年第三四半期の民間企業の手持ち資金は実に500兆円だそうです(爆死)。

他方、個人の所得状況はというと、投信会社の統計データとされるものによれば、年収一億を超える日本人はおよそ2万人程度。この内、約六割は株式債権などへの投資によっての収入ということでした(爆)。要するに、働いて年収一億というのはまず無理ということです(←ちな、このデータは今後、頻繁に使うつもりです)。


この事から言えそうなのは、ユニクロの柳井などの極一部の奴らがジニ係数を0.3以上に引っ張り上げている可能性があり、大抵の人たち…特に株式などの『金融資産』を持たない普通の労働者(←この場合の所得は『勤労所得』となる)は大抵は貧乏という、恐るべき危険性があります。より重要な示唆は、日本の貧困の問題は個人間の所得格差ではなく『市民vs企業』という異様な所得構造にあるのではないかということの方です。


法人税は、長いデフレによる体力低下を避けるために10年以上前から段階的に税率を下げています。2011年の頃は40%→35%に、現在では法人税の実効税率は大体30%に落ち着きました。これによって企業は負担を減らし、同時に実施されたアベノミクスによって大きな利益を上げました。その結果の手持ち資金500兆円です。この額はフランスのGDPの二倍にして、世界第四位の『GDP大国』と言っていいほどです。そして『手持ち資金』という、設備投資にも労働者への賃金にも回らないカネが無駄に『タンス預金』されているに等しいのです。


確かに超低金利で投資の意味が薄れる一方で経費負担は増加しますし、逆に社債を発行したり自社株買い(→株主への還元の意味合いもある)による自己資本力の強化もしていますが、他方、労働者の可処分所得(=手取り)への配当は怠っていると言え、特に全労働者の1/3にもなる非正規雇用の所得と貯蓄が低いとされています(実感はあるのですが、確実なデータがないので今回は割愛します。信用できるデータが上がり次第、増補します)。


この結果、徐々に日本の国内市場が縮小していくとしたら…?

GDPの60%は個人所得でしたが、そもそもの所得の伸びが低いだけでなく個人資産そのものが少なく、そこに消費増税のような消費力そのものに数兆円規模のマイナスをもたらすような政策を実施し続ければ国内市場がやせ衰えていくのは自明のことです。その結果、企業が海外に市場を求めるという戦略を採用した挙げ句、今回のような関税戦争によって企業もまた戦力を失うという総潰滅の様相を呈する危険があるのです。


現在、日韓の二国間関係もまた悪化していますが、デサントのように韓国国内市場に利益の八割を置く企業は存亡の危機に立たされています。これは『海外市場は国内市場のように安定しているものではない』という事の良い証拠です。海外市場は同時に、リスクを常に背負っている市場であることを改めて認識させる出来事として捉えるべきでした。そういうことです。


国内の労働者に適切な手取り(可処分所得の増加)が無い国は、国内市場が先細り、さらに国内企業が苦境に立たされ、海外に活路を見出そうとするが貿易紛争や地政学上のリスクに晒される。結果、国内市場の劣化がGDPの劣化を招き、企業は安定した市場を失い、投資と成長の機会を失う。同時に貧困層の増大が社会保証費用の増加を招き、これが増税→民力の更なる劣化を招く…この悪循環だったのです。


国内市場の弱い国は貿易戦争の敗者になる。


…これが結論です。

米中物品貿易紛争の結論の一つは『海外に市場を過度に依存し、労働者をないがしろにして国内市場の育成に失敗した国々の大敗北』…そういうことだったのです。


これを阻止すること…国富増強のための、市民一人ひとりの所得の増加こそが政府の仕事の全てです。例えば公共事業による民間需要の創出、国内の労働者に適切な賃金を供給すると同時に最低限の社会保障を準備することで、市民が安心して余剰資本を国内市場へ投下できる環境を整備すること、金融資産の有効活用と規制の緩和などによる資本力と市場の拡大化などの『民力強化』のための対策を講じておくべきということでした。


同時に企業もまた「労働者への賃金増付は、自社製品への先行投資」という正しい考え方を持てない『デフレバカ』の結果、海外市場でのリスクにさらされるという、当然の現実に突きつけられたに過ぎません。


強力な国内市場こそがGDPを引き上げる唯一の手段であり、与野党を問わない基本政策とすべきということです。金融財政政策の両輪を使って『持続的に成長する国内市場を保護育成すること』…これが出来た米国だけが、結果、唯一の勝利者となったのです。

今後、世界大恐慌が発生する可能性が高いのですが、それでも米国は回復する余力があることでしょう。他方、他の国は「残念」と…(´-ω-`)


そういうことだったのです。

では次に、2020年新コロパンデミックが直撃した米国の状況を確認しておきましょうかね…( ・᷄д・᷅ )?


ただし、この文章を書いている段階ではまだ正確な犠牲・損失と経済状況の詳細が判っていませんので「速報」程度の内容になります。詳細が分かりましたら、また別の形で分析して俎上そじょういたします…m(_ _)m



 ※     ※     ※

 


【補記】

ノベルアッププラス2019年12月13日初公開分を微修正補足増補

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